こんにちは!
マンガ大好きサラリーマンのヘーボンです!
進撃の巨人は非日常的な戦いの世界を描いているように見えて、実のところ現実の歴史をモデルにしているかのようなリアルな世界観をしており、教訓や名言に溢れています。
中でも僕が個人的にお気に入りのキャラクターが、フロック・フォルスターという男です。
登場時こそ時流に流されて調査兵団に加わった調子のいい男という印象でしたが、自ら戦場に赴き九死に一生を得る経験をしたところ激変、勝利のためなら手段を問わない過激思想の持ち主となりました。
さらには主人公たちにとって耳の痛い事も言うので、読者の一部からは酷く嫌われています。
しかしフロックの発言は実体験に基づくだけあって重みがあり、主人公たちに「お前たちは本当に正しいのか?」という問いを投げかける重要な役割を担っていると言えるでしょう。
今回はそんなフロックの変化がわかる名言たちを時系列順で紹介していきます。
物語のネタバレを含みますので、気にする方はここでページを閉じるか、他の記事へどうぞ!
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何で…自分だけは違うって…思っちまったんだろう…
うるせぇ!!もう意味ねぇだろ!?
引用:進撃の巨人 20巻
あんなに強かった調査兵団がみんな一瞬で死んだんだぞ!?
…つーか お前もわかってんだろ
いくら馬を守ったってなぁ…
それに乗って帰る奴は…
誰もいないって!!
理屈じゃわかっていたさ
人類がただ壁の中にいるだけじゃ
いつか突然やって来る巨人に
食い滅ぼされる
誰かが危険を冒してでも行動しなくちゃいけない…
誰かを犠牲者にしないために自分を犠牲にできる奴が必要なんだってな…
そんな勇敢な兵士は誰だ?
…そう聞かれた時
それは俺だって…思っちまったんだ…
でも…まさか…
そうやって死んでいくことが
…こんなに
何の意味もないことだなんて
思いもしなかったんだ…
…考えてみりゃ
そういう人達の方が圧倒的に多いはずなのに…
何で…自分だけは違うって…
思っちまったんだろう…
シガンシナの戦いで獣の巨人からの投石攻撃を受けている際、馬を逃がしたことをマルロから咎められたフロックが言い返した言葉。
戦うことの必要性を頭では理解していたフロックですが、いざ死を目の当たりにしたことでその覚悟が揺るいでしまいます。
他人のために戦い、死ぬことは美しいかもしれませんが、戦場では何の手柄も立てられずに死んでいく兵士が大半です。
その当たり前の事実に気が付いてしまったフロックの悲痛な叫びです。
どうせ死ぬなら…どうやって死のうと…意味なんてないですよね…?
俺達は
引用:進撃の巨人 20巻
今から…死ぬんですか?
…どうせ死ぬなら
最後に戦って死ねということですか?
いや…どうせ死ぬなら…
どうやって死のうと
命令に背いて死のうと…
意味なんてないですよね…?
獣の巨人への特攻作戦をエルヴィンから命じられた際、フロックがエルヴィンに対して聞いた質問。
ただ黙って殺されるよりは、囮として役に立って死んだ方がいい…理屈の上では正しいですが、そう言われて奮い立てるかと言われれば、おそらく答えは否でしょう。
他人のために戦って死ぬことは確かに美しいですが、それで自分が得られるものは何もありません。
人間は何の希望もなしに奮い立つことなどできないものです。
それでもフロックを含めた新兵たちは、「次の生者に意味を託す」というエルヴィンの言葉に希望を見出し、なけなしの勇気を振り絞って特攻するのでした。
巨人を滅ぼすことができるのは悪魔だ!!
…人類を救うのはエルヴィン団長だ!!
引用:進撃の巨人 21巻
ッ…!!
黙ってられるか…
お前らばっかりが辛いと思うなよな
まだ知らないだろうけど
あの壁の向こう側に生きてる兵士はもう誰もいねぇ…
「獣の巨人」にみんな殺されたんだ
遠くから飛んでくる石つぶてに
みんな…
グチャグチャにされた
誰も助からないと思った…
でもエルヴィン団長だけは違った
あの状況で
獣の喉笛に食らいつく算段を立て
…実行した
俺達新兵の…命を囮にしてな
すべてはリヴァイ兵長が
獣を奇襲するためだ
みんな作戦通りバラバラに砕けたよ
ゴードンも
サンドラも
マルロも…
みんな…
自分の死が誇らしいとか思う暇も無かっただろうな…
みんなが最後に感じたことは…
きっと…恐怖だけだ…
…まだ息のあるエルヴィン団長を見つけたときは…
とどめを刺そうとした…
でも…
それじゃ生ぬるいと思った…
この人には まだ地獄が必要なんじゃないかって…
…そして わかったんだ
巨人を滅ぼすことができるのは
悪魔だ!!
悪魔を再び蘇らせる…
それが俺の使命だったんだ!!
それがおめおめと生き残っちまった…
俺の意味なんだよ!!
瀕死になったエルヴィンとアルミン、どちらを蘇らせるべきかを争った際、「人類を救うのはアルミンだ」と主張するエレンやミカサに、フロックが言い返した名言。
エレンは今までのアルミンの功績を挙げて「アルミンを生き延びさせるべき」と主張しましたが、それはあくまで建前であり、私情でアルミンを助けようとしていることは明白です。
しかし、私情を捨てて死んでいった大勢の新兵たちを目の当たりにしたフロックからすれば、救うべき相手を私情で選ぶなど感化できることではありません。
むしろ死にたくないと喚く新兵たちに特攻させる、非情な決断こそが人類の勝利に必要なものだとフロックは考えるようになりました。
シガンシナの戦いをきっかけにフロックの価値観は大きく変わることになりますが、その根底にある考えがこのセリフです。
要は大事なものを捨てることができなかったからだろ?
知らないな
引用:進撃の巨人 22巻
俺は幼馴染じゃないし
仲良しでもないから…
でもなんで
アルミンが選ばれたかはわかる
お前ら二人とリヴァイ兵長が…
私情に流され注射薬を私物化し
合理性に欠ける判断を下したからだ
要は大事なものを捨てることができなかったからだろ?
シガンシナ区の戦いの受勲式の日に、フロックはあくまで「エルヴィン団長が生き残るべきだった」と述べ、エレンから「お前はアルミンの何を知ってるんだ」と聞かれます。それに対するフロックの返答がこちら。
アルミンを救ったエレンやリヴァイの判断は私情によるものだと容赦なく指摘するフロック。
読者視点だとエレンに感情移入してしまうため、非常に耳に痛い言葉ですが、まぎれもない真実でもあります。
「なにかを変えられる人は、大事なものを捨てることができる人」とはかつてアルミン自身が言った言葉で、それを他人から言われるという皮肉なシーンです。
そんな雑魚にだってなぁ…名踏みする権利くらいはあるだろ!?
お前らは…
引用:進撃の巨人 22巻
上官に歯向かうわけでもなく
エレンとミカサを止めるわけでもなく…
ただ見てただけだったよな
何の勲章だ?
誰を弔う?
これから補充する調査兵団には本当のことを言えよ!?
俺みてぇな腰抜けが間違って入ってこねぇようにな!!
エルヴィン団長無しでこれからどうするつもりなんだよ!?
そりゃ俺みてぇな雑魚…
使い捨てるくらいしか使い道もねぇだろうが…
そんな雑魚にだってなぁ…
名踏みする権利くらいはあるだろ!?
「エルヴィンを救うべきだった」と繰り返すフロックに、ジャンやコニーが「終わったことを蒸し返すな」と指摘しますが、それに対するフロックの反論。
フロックも紛れもなく命がけで戦った兵士の一人です。そして特攻前にエルヴィンが言ったとおり、「死んだ者たちに意味を与えるのが生者の役割」と考えていることでしょう。
それなのに人類のためを想った自分の意見より、エレン達の私情を優先されたのだから黙ってはいられません。
「命を懸けるからには、それに見合う相手か値踏みする権利がある」
このセリフもまた、かつてジャン自身が言った言葉でした。
俺達にはあの悪魔が必要だ
ここにいるのは敵と敵の住む建物だけだ
引用:進撃の巨人 25巻
俺達「壁中人類」がどれだけ壁の外の奴らに殺されてきたか忘れたか!?
食い殺されたんだぞ!?
まだまだこんなもんじゃ済まされねぇよ!!
見ろ
エレンは示した
戦えってな
俺達はただ壁の中で
死を待つだけじゃない
俺達にはあの悪魔が必要だ
調査兵団がマーレのレベリオを襲撃した際、「民間への被害は最小限に抑えろ」と言うジャンに付録が言い返した言葉。
フロックが壁外の人類を民間人を含めて「敵」と呼び、一切容赦しないようになっていることが分かります。
この時点でフロックは既に、エレンがこれから惨劇を引き起こそうとしていることを知っており、「壁中人類」のために非情な決断を下したエレンを勝利の為に必要な「悪魔」と呼びました。
フロックは以前アルミンのことでエレンと揉めているはずですが、そのエレンに追従しているあたり、私情を挟まない合理的な思考をしていることが分かります。
さぁ!!喜べ!!それが6人の英霊への弔いだ!!
敵に与えた損害と比べてみろよ!
引用:進撃の巨人 25巻
大勝利だ!!
我ら新生エルディア帝国の初陣は大勝利だぞ!!
さぁ!!喜べ!!
それが6人の英霊への弔いだ!!
レベリオから撤退する飛行船の中で、6人の被害者が出たことを悔やむジャンに対してフロックが言ったセリフ。
「被害を悔やむよりも勝利を喜ぶことが弔いになる」というセリフの根底には、かつてエルヴィンが言っていた「死者に意味を与えるのは生者の役割」という思考があるのでしょう。
さらに自分たちの国を”帝国”と呼ぶ姿勢からは、フロックが他国への侵略行為を是としていることが分かります。
誇りに死ぬことはない いいじゃないか屈したって…
彼に敬意を
引用:進撃の巨人 31巻
鉛玉に屈することなく
義勇兵の誇りを貫いた
でも…
誇りに死ぬことはない
いいじゃないか屈したって…
こんな死に方するより
生きてた方が…
“地鳴らし”が発動し故郷を失うことになった義勇兵たちに、フロックはエルディアに服従するように迫ります。それに逆らった男を見せしめに殺した上で言ったのがこのセリフ。
恐怖を与えておいて急に歩み寄るのは脅迫の常套手段ですが、「屈してもいい」という言葉からは、かつて恐怖に屈しそうになったフロックの実感がこもっているように感じます。
射殺した男に敬意を払って見せたのも、おそらく本心からの言葉だったのでしょう。
これが何かわかるか?自由だよ!!
俺はエレンの代弁者だ
引用:進撃の巨人 31巻
エレンが島の外の問題を
完全解決するなら
オレも島の中の遺恨を完全に消し去る
とにかく
俺達は4年前…
あの地獄を生き残ってようやくこれを手にしたんだ…
これが何かわかるか?
自由だよ!!
もうお前らは戦わなくていい
好きに生きていい
なぁジャン
お前は憲兵になって内地で快適に暮らしたかったんだろ?
そうしろよ
お前は英雄の一人なんだから
終わった
だからもう昔のジャンに戻れよ
いい加減でムカつく生意気なヤローに
エレンが始祖の力を掌握したことで、フロックが島の中で実権を握ります。ジャンから「誰がお前にお山の大将を気取ってほしいと頼んだ?」と聞かれた時のフロックの返答がこちら。
エレンは壁外人類を殲滅することで壁内人類を守ろうとし、フロックはその計画を以前から聞かされていた賛同者でした。
ジャンもフロックも元々強い人ではありませんでした。
多くの残酷な戦いの中で、変わらざるを得なかったのです。
その戦いが終わり、平和ボケしていた時の自分たちに戻れるのだと、フロックは喜びをあらわに語るのでした。
俺…達の悪魔…それ…だけ希…望…
行く…な
引用:進撃の巨人 33巻
行かないで…くれ…
島の…みんな…殺…される
俺…達の
悪魔…
それ…だけ
希…望…
フロックの最期の言葉。
地鳴らしを防ごうとするアルミンたちを止めるため、フロックはなんと負傷したまま船にしがみつき海を越え、飛行艇を狙撃します。
その後ミカサにより打ち取られますが、我が身を顧みないその行動からは、フロックが本気で壁中人類のためを想って行動していたことが伺えます。
”地鳴らし”を是とする彼は、道徳的には決して善人とは言えないでしょう。しかし壁中人類の為だけを考えるなら、少なくとも目先の脅威を排除できる手段であることは事実です。
このセリフを聞いたハンジはフロックの正しさを認め、「それでも諦められないんだ」と答えました。
フロックはなぜ過激派になったのか
以上、フロックの変化がわかる名言10選いかがでしたでしょうか。
フロックの言葉は耳に痛いものが多く、そのせいで彼は一部の読者からは酷く嫌われていますが、それでも簡単には否定できない説得力があります。
それはおそらくフロックがそういう価値観になるに足る背景が作中でしっかり描かれているからでしょう。
非情な決断を下したエルヴィンと、それに従い恐怖の中で死んでいった兵士たち…その姿を目の当たりにしたことが、彼を過激派へと変貌させたのです。
惜しむらくは、フロックがエルヴィンの”悪魔”としての一面しか知らなかったことでしょう。
エルヴィンが夢を追いかけていたことを…つまり人間臭い一面をフロックは知らないまま見習ってしまったのです。
それこそがフロックが過激派に走ってしまった原因…のような気がしてなりません。
アニメ版のジャンがアルミンに言ったセリフに「(人間性を捨てて)化け物になって巨人を駆逐したとして、それは人類の勝利なのか?」という者があります。
元々臆病だったのに壁中人類の勝利のために悪魔を求めたフロックは、もしかすると”人間性を完全に捨て去ったジャンやアルミンの姿”だったのかもしれません。
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