こんにちは!
小説化になろう大好きサラリーマンのヘーボンです!
みなさん推理小説は好きですか?
今回は、中世の後宮という嫉妬や陰謀渦巻く場所を舞台としたミステリー小説をご紹介します。
↓その作品がこちら↓
「薬屋のひとりごと」(日向夏)
後宮で下女として働いていた猫猫が、ある事件を切っ掛けに上級妃の毒見役に。薬の知識と花街暮らしの経験を生かして、様々な謎を解き明かしていきます!
後宮という独特な舞台を上手く生かしたストーリー展開が魅力で、どんどん内容に引き込まれます。
あらすじと感想をレビューしていきますが、序盤のネタバレを含みます。全くネタバレしたくないという方は、下のリンクから飛んでください。
「薬屋のひとりごと」あらすじ(序盤ネタバレ)
花街で薬屋として暮らしていた猫猫。
ある日人攫いに誘拐され、なんと後宮に下女として売られてしまいました。
貴人と接する機会も多い後宮では、上手く立ち回れば思わぬ出世もあり得ない話ではありません。
しかし猫猫の給金は誘拐犯によって天引きされており、いくら働いても誘拐犯を喜ばせるだけ…そう考えた猫猫は、なるべく目立たず地味に暮らしていました。
そんなある日、猫猫は後宮で流行っている”呪い”の噂を耳にします。なんでも妃が生んだ帝の御子が、次々と不審死を遂げているというのです。
どの御子も乳幼児の内に亡くなっており、現在生き残っている御子は二人だけ…。その話を聞いているうちに猫猫には、”呪い”の正体に察しが付いてきました。
気になった猫猫は、御子の母親である上級妃たちの様子を見に行く事にします。
すると丁度、それぞれの御子の母親である梨花妃と玉葉妃が言い争いしている現場に出くわしました。
どうやら梨花妃は、自分の子どもに玉葉妃が呪いを掛けたと考えているようなのです。
その様子を眺めていた猫猫は、自分の推測が正しかったことを悟ります。赤ん坊を死に至らしめていたもの…それは上級妃が使っていた高級白粉でした。
花街の妓女も好んで使っていたそれは、見た目は美しいものの、吸い込めば人体に毒になります。上級妃が日常的に使っていたなら、その子どもが吸い込んでしまうのは自明の理。
猫猫は薬屋としての知識と花街で暮らした経験から、すぐにその可能性に気が付きました。しかし後宮の医官と思われる人物は、二人の上級妃に挟まれてオロオロしているだけ…どうやら白粉に毒が含まれている事は知らないようです。
猫猫は上級妃に忠告しなければと考えますが、ただの下女が上級妃に忠告など、不敬と受け取られても仕方ありません。目立つことが嫌いな猫猫としては、それは絶対に避けたいことでした。
そこで猫猫は身分を明かさず、忠告を書いた文を二人の上級妃に送る事にします。差出人不明の文など無視されるのが関の山ですが、少しでも気にして貰えれば御子は助かるかもしれません。
自分にできるのはここまでと、猫猫は日々の仕事に戻ります。
そして数日後、梨花妃の子どもが亡くなりました。
忠告の文も意味は無かったようだ…と落胆する猫猫。
そうしていると壬氏という男から呼び出しがかかりました。
呼び出された部屋に行くと、中には猫猫の他にも大勢の下女が呼ばれている様子。
「なにか人手が必要な仕事でもあるのか」と考えていると、壬氏が下女たちに、一枚の紙を掲げてみせます。
「そこのソバカス女。お前は居残りだ」紙にはそう書かれていました。
続けて壬氏は「これで解散だ。部屋に戻っていいぞ」と言います。
何のために下女を集めたのか、なぜ自分だけが居残りなのか…猫猫は頭を傾げますが、すぐにその理由に気が付きました。
今回呼ばれた下女は、全員が顔にソバカスのある女だったのです。
下女の大半は、文字を読むことができません。だから先ほどは「部屋に戻って言い」という言葉だけを聞いて帰って行ったのでしょう。
猫猫は目立つことを嫌い、自分も文字が読めない振りをしていました。ならば先ほどのやり取りで、猫猫も部屋を出なければいけなかったのです。
そう、壬氏は上級妃への手紙の差出人が猫猫であると感付き、その裏付けとして読み書きができる事を確かめるため、こんなことをしたのでしょう。
慌てて部屋を出ようとする猫猫に、壬氏がニッコリと笑って言いました。
「駄目じゃないか。君は居残りだよね?」
出世を嫌い、能力を隠してきた猫猫ですが、遂にバレてしまったようです。
「薬屋のひとりごと」主な登場人物
猫猫(マオマオ)
花街で薬屋をしていた少女。誘拐されて後宮で働くことになり、後に玉葉妃の子どもを救った功績を評価され、玉葉妃の毒見役に抜擢されます。
薬や毒の研究が何よりも好きで、死ぬほどではない毒ならば好んで接種するほどのマッドサイエンティストです。
毒見役という本来ならば望ましくない役職も、猫猫にとっては天職といえます。
薬や毒牙絡むと周囲をドン引きさせるほどの変人ぶりを発揮しますが、実は強い正義感も秘めており、その知識で様々な陰謀や人の想いを解き明かしていきます。
壬氏(じんし)
後宮を管理する謎多き男性。
男とは思えないほどの美貌の持ち主であり、妃たちから言い寄られることも少なくありません。
後宮で起こる様々なトラブルに対処しており、猫猫の能力に気が付いてからは、そこに猫猫を巻き込んでいきます。
玉葉妃(ギョクヨウひ)
4人いる上級妃の一人。
猫猫の忠告のおかげで子どもが助かり、それをきっかけに猫猫を自分の侍女に取り立てました。
おっとりとした優しい女性ですが、陰謀渦巻く後宮で生き残るだけのしたたかさの持ち主でもあります。
「薬屋のひとりごと」感想
中世の後宮と推理物というジャンルが上手く組み合わさっていて面白い!
後宮という舞台のおかげで毒殺の恐ろしさにリアリティーがありますし、それを見破るのが薬屋なので、次々と起こる事件を違和感なく読み続けることが出来ます。
ある意味、現代を舞台にした探偵物よりもリアリティーがあるかもしれません。
毒や薬に特化したトリックは読んでいて新鮮で、事件の裏に隠された登場人物たちの心情には涙を誘われます。
一味違った推理物を読んでみたいという方は、ぜひ読んでみてください。
WEBと書籍両方で読むことが出来ますが、実は途中から内容が大きく変わっていきます。どちらも面白いので、ぜひ両方目を通してみてください。
また漫画版は「ビッグガンガン版」と「サンデーGX版」の2種類が発売されています。
私のイメージですが、テンポが良くイラストが可愛いのが「ビッグガンガン版」。毎回のエピソードをじっくり楽しめるのが「サンデーGX版」といった印象です。
どちらを読んでも後悔しないと思うので、お好みでえらんでください。
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