こんにちは!
ダイの大冒険大好きサラリーマンのヘーボンです!
大魔王バーンの恐ろしいところは、その強さだけでなく、真の目的を相手に気付かれることなく進める策略家な部分にあります。
その深謀遠慮が最も発揮されたのは最終決戦の際。ダイたちがいよいよバーンを追いつめたと思った矢先に、密かに地上消滅計画を進めていた事を明かしたのです。
計画は既に完了目前の段階まで進んでおり、「もうすぐバーンを倒せる」と考えていたダイたちを、一気に絶望に叩き落としました。
これまで何度も奇跡の逆転劇を見せてきたダイ一行ですが、全てはバーンの掌の上だったのです。
今回はバーンの地上消滅計画を知った上で、ダイたちの最終決戦を振り返ってみましょう。
ダイの大冒険のネタバレを含みますので、未読の方はここで記事を閉じるか、他の記事へどうぞ。
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バーンの地上消滅計画とは
まずはバーンの地上消滅計画について説明します。
バーンの目的は、地上を消し去り、その下にある魔界に太陽の光を届かせる事でした。
そのために黒の核晶と呼ばれる最強最悪の爆弾を地上に仕掛けておいたのです。
黒の核晶は地上に巨大な六星の魔方陣を作るように配置されており、一つでも爆発すれば全てが誘爆、地上を消し飛ばしてしまいます。
しかも黒の核晶は時限式で、バーンを倒しても止まる事はありません。
止めるには世界六か所の黒の核晶を、六分以内に停止させる必要があるのです。
しかしそれも世界中の強者が一か所に集結している状況では不可能なこと…
人間たちが総力を結集して大魔宮に攻め込んでくることすら、バーンの計画の内だったという訳です。
バーンの地上消滅計画を知った上で振り返る最終決戦
ピラァ・オブ・バーンによる地上攻撃
ダイとバーンの一度目の戦いの後、バーンはマザードラゴンがダイを連れていく姿を目撃。ダイが死んだと判断しました。
「差し当たっての邪魔者が消えた」と考えたバーンは、ついに地上消滅計画を実行に移します。
大魔宮に搭載していた兵器”ピラァ・オブ・バーン”を地上に投下し始めたのです。
人間たちはこれを「地上への無差別攻撃」と判断しました。
しかしバーンの真の目的は、ピラァに仕込んでおいた黒の核晶を地上に設置しておくことだったのです。
もしここで人間たちが投下されたピラァを調べていたら、バーンの計画は破綻していたかもしれません。
しかし普通の人間であれば、大量破壊兵器であるピラァなんて近寄りたくもないでしょう。
ダイたちにしても大魔宮という驚異の象徴が空を飛び回っている中で、投下された後のピラァを調べてみようなんて、考えもしなかった筈です。
まさに人間の心理の裏を突いた作戦といえます。
「木を隠すなら森の中」という言葉がありますが、まさか大量破壊兵器の中に大量破壊兵器が隠されているなんて、誰が想像できるでしょうか。
バーンはまんまと六星の魔方陣に必要な六本のピラァの内、五本を仕掛ける事に成功しました。
ヒュンケルとクロコダインの処刑を宣言
ダイを一度は負かしたバーンですが、完全に脅威が無くなったと考えてはいませんでした。
ヒュンケルとクロコダインの処刑を宣言する事で、人間軍の残党をおびき出そうとしたのです。
処刑場に魔界の魔物を伏せ、二人を救う為に現れた人間軍を殲滅しようとしました。
…が、真の狙いは人間軍の殲滅ではありません。
残った強者を一か所に集める事で、いざ黒の核晶を爆発させる時に対応できないようにしたのです。
結果として、魔界の魔物は人間軍に撃退されましたが、バーンにとっては大した問題では無かったでしょう。
なぜなら大魔宮にはピラァの最後の一本が残っており、これを投下すれば人間軍の殲滅などあっさり完了するからです。
ダイ一行が大魔宮に攻め込んでくる
ヒュンケルとクロコダインを救出したダイ一行は、大破邪呪文により大魔宮の結界の除去に成功。そのまま大魔宮に攻め込んできます。
バーンはダイたちが大破邪呪文を使った事に多少は驚いたものの、まだまだ余裕の態度は崩しませんでした。
それもそのはず、ダイ一行が大魔宮に攻め込んでくるのは、バーンにとっても悪い展開ではないのです。
バーンは近いうちに最後のピラァを落とすつもりだった訳ですが、ダイ一行が地上にいたのでは防がれる可能性も0ではありません。
例えばポップのメドローアであれば、落下してくるピラァを黒の核晶ごと消してしまう事も出来たでしょう。
しかし大魔宮の中にいたのでは、それもままなりません。
ダイたちは大魔宮に乗り込むことで、却ってピラァを投下しやすい状況を作り上げてしまったのです。
人間軍が大破邪呪文の成功に沸き立つ中、バーンは内心ほくそ笑んでいた事でしょう。
地上のミストバーンを呼び戻す
計画通りに事を進めていたバーンですが、アバンの復活に対しては強く警戒します。
当時はその理由を「アバンには力を超えた何かがある」と説明していました。
しかし今思えば「地上一の切れ者であるアバンならば、バーンの計画に気付くかもしれない」と危惧したのでしょう。
バーンは地上で戦っていたミストバーンに「大魔宮に戻り、ダイ一行を迎え討て」と命じます。
ミストバーンは、大破邪呪文を維持している光の魔方陣を消す為に戦っていましたが、どうせ光の魔方陣はピラァを投下すれば消せるのです。
なんならバーンはこの時点でピラァを投下しても良かった筈ですが、ダイ一行が自由に動ける内は万が一があると考えたのでしょう。
バーンにとって地上の戦いは既にどうでもよく、それよりもアバンを得たダイ一行を止める事を優先したのです。
ダイの仲間たちを瞳の宝玉に変えていく
ダイ一行とバーンの戦いが始まると、バーンはダイの仲間を次々と”瞳”と呼ばれる宝玉に変えていきます。
単純に戦力を削ぐためでもありますが、最後のピラァを投下する前に、邪魔者を封印しておきたかったのでしょう。
ここで全員を瞳に封印できれば完璧だったのでしょうが、結局ダイとポップを封印する事は叶わず、思わぬ反撃を受ける事になります。
地上消滅計画をダイに明かす
バーンは最大の奥義である天地魔闘の構えでダイたちを苦しめますが、それもダイとポップの連携により破られてしまいました。
ここまで追い詰められるとは、さすがのバーンも想定外…と思いきや、ここでバーンの地上消滅計画が保険の役割を果たします。
バーンは最後のピラァを投下。黒の核晶の時限装置を起動した上で、今まで隠してきた地上消滅計画をダイたちに明かしました。
地上を守るために戦っていたダイからすれば、地上の消滅が確定してしまった状況で戦う理由はありません。
すでに地上消滅計画が阻止不可能な段階まで進んでいると伝える事で、ダイを戦意喪失させたのです。
自分の強さに絶対の自信を持ちながら、負けそうになった場合の保険まで用意しておく…バーンほど用心深いラスボスは、そうそう居ないのではないでしょうか。
数千年をかけたバーンの策略
以上、バーンの計画を知った上で最終決戦を振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか?
バーンは計画を実行に移すまでに数千年もの時間をかけたと言われており、実際その計画は隙の無いのものでした。
この後ダイたちは数々の奇跡を起こし、バーンの計画をひっくり返してみせますが、それは本当に奇跡の上に奇跡が起こったようなもの…バーンの計画に穴があったわけではありません。
数千年かけて立てた隙の無い計画を、数々の奇跡によってひっくり返された…と考えると、終盤のバーンの取り乱し振りも納得できる気がしますね。
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コメント
一番の痛手になっているのはフレイザードのオーザム殲滅。
オーザムという他国と接していない場所の生存者を無くすことにより柱を死守できるというバーンの戦略…
しかも隣国のリンガイアにバランを向かわせ援軍まで封じてしまうことからピラア・オブ・バーンをすることは織り込み済みの作戦であることが…
普通なら中心地であるベンガーナ攻略を重視するのにザボエラに任せ、リンガイアにバランを向かわせた理由も理解できる。
三条先生の伏線回収の巧みさ…
さらに言うとクロコダインが倒された後の六大団長集結の際
フレイザード「リンガイア王国攻略に向かったと思ったらすぐさまUターンとはね…」
バラン「心配いらんさ、リンガイアはもう潰してきた」
フレイザードのセリフから一週間前に派遣されていたことが判るので
オーザムが襲われリンガイアから援軍がやってくるのを知ったバーンが陽動のためにバランを派遣したと考えられる。
オーザムを無人地帯にすることにより柱を死守する布石を打ったことが。
この会心の布石が決まったことにより勝ったも同然と慢心したバーンがヒュンケルにダイ討伐の勅命を下したことが後の命取りになろうとは…
子供の頃読んでました