こんにちは!
ダイの大冒険大好きサラリーマンのヘーボンです!
本編は既に完結しているダイの大冒険ですが、2022年12月に追加ストーリーが掲載された小説版が発売されました。
日頃からダイの大冒険好きを自称する私としては、これは読まねばなるまい…という事で、遅ればせながら読ませて頂きました。
そこで今回は、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 それぞれの道』を読んだ感想を語って行きたいと思います。
多少内容に触れてしまっているので、ネタバレを気にする方はご注意ください。
【ネタバレ感想】ドラゴンクエスト ダイの大冒険 それぞれの道【小説】
第1章 ダイの弟子
あらすじ
フレイザードを倒しパプニカを奪還した後、ダイの前に一人の少年トラスが現れます。
ダイに憧れ、ダイの様な勇者になりたいというトラスに頼み込まれ、ダイは剣の稽古をつけてやることになりました。
しかしアバンの修業を三日しか受けていないダイにとって、他人に稽古をつけてやるなど未経験。
ひとまず、自分がアバンに教わった通りに稽古をつけようとしますが…
ネタバレ感想
ダイが慣れない師匠役に悪戦苦闘するというストーリー。
ダイは自分が受けた、アバンの”スペシャルハードコース”をトラスに受けさせますが、一向に上手くいきません。
トラスに根性が無いわけではなく、同じメニューをこなしている筈なのに成果が出ないのです。
しかし考えてみれば、それも無理は無いでしょう。
アバンはダイの才能を見込んだ上で修業メニューを決めていましたが、ダイはただ自分がやったメニューをそのままトラスにやらせているだけ。
要するに、トラスに合った修業にはなっていないのです。
かといって、他人にものを教えたことがないダイには、トラスに合った修業など考え付くはずもありません。
後にダイは「トラスが強くなりたい理由」を知り、その悩みを解決してあげようともします。
しかしやはり戦いで解決できない問題については、ダイはどうしていいのか分からなくなってしまうようです。
一流の戦士が、必ずしも一流の師匠になれるわけではないという事ですね。
いつもの強くてカッコいいダイを期待して読んだ人にとっては拍子抜けかもしれませんが、ダイの苦手分野について掘り下げた面白いお話だったと思います。
第2章 海賊船あらわる
あらすじ
クロコダインとの戦いが終わり、ロモスからパプニカに向かう海路。
ダイたち三人の前に、ボロボロの漂流船が現れます。
「もしかしたら生き残った人が居るかもしれない」
そう考えたダイたちは、漂流船の中を探索する事に。
しかしポップは、その漂流船から嫌な予感を感じていました。
(でも行きたくないなんて言ったら、また臆病風に吹かれたと思われるかも…)
ポップはそう考え、むしろ先頭に立って船の中に入っていくのことに…。
ネタバレ感想
ポップの成長過程の葛藤が描かれたお話。
突然現れた漂流船を、ポップは警戒するのですが、「ダイとマァムに臆病者と思われたくない」という気持ちがそれを邪魔します。
ちょうどクロコダイン戦で活躍した直後という事で、自分の成長を信じたいが、まだ信じきれない状況という感じでしょうか。
臆病者だった時とも、立派に成長した後とも違う、その中間のポップです。
アニメを見終わってから呼んだので、終盤のカッコいいポップのイメージが残っており、読んでてなんだか懐かしい気持ちになれました。
第3章 マホイミを習得せよ
あらすじ
武闘家になるために、ブロキーナに弟子入りしたマァム。
ブロキーナの課題をあっという間にこなしてしまいますが、奥義である閃華裂光拳だけはなかなか習得できません。
どうやらマァムの優しい性格が、強力な奥義を覚える上で枷になってしまっているようで…
ネタバレ感想
「強くなりたい」と願う気持ちと「相手を傷つけたくない」という気持ちの間で揺れ動く、マァムの葛藤を描いた物語。
アバンから魔弾銃を渡された際も拒絶反応を示していたマァムです。閃華裂光拳の威力を知る事で、かえって全力で技を放てなくなってしまいました。
マァムの優しさが戦闘の邪魔になってしまっている事は、本編でも描写されていた事です。
しかし、ならば優しさを捨てればいいかというと、そういう問題でもないのでしょう。
なぜならその優しさが無ければ、ブロキーナはマァムに奥義を教えたりはしなかったはずだからです。
相反する二つの気持ちを抱えたまま、自分の中で折り合いを付ける必要があるのでしょう。
後のアルビナス戦にも通じる話だと感じました。
第4章 鬼岩城へ
あらすじ
フレイザード戦の後、魔王軍を偵察するために鬼岩城に向かったヒュンケルとクロコダイン。
その道中で、傷付いた少女ティカに出会います。
なんでもティカは、魔物に殺された両親の仇を討つために、たった一人で魔物の元へ向かっていたらしいのです。
しかもティカが仇と呼んで狙っているのは、かつてヒュンケルが団長を務めた不死騎団という話で…?
ネタバレ感想
ヒュンケルが自分の罪を突きつけられるお話。
かつてアバンを父の仇と恨んだヒュンケルが、今度は自分を仇と恨む少女に出会います。
既に改心しているとはいえ、ヒュンケルが以前パプニカを滅ぼしたことは事実です。
当然大勢の人が亡くなったでしょうし、それを恨みに思う人が居るのは同然でしょう。
短い話ですが、ヒュンケルの心情を想っていたたまれない気持ちになりました。
また、本作はアバンの使徒5人の話と聞いていたので、クロコダインの出番がしっかりあったのが、個人的に嬉しかったです。
しかしフードを被っただけで、なぜクロコダインの正体がバレないのか…笑
第5章 レオナの休日
あらすじ
世界会議の開催に向け、日々忙しく働いていたレオナ。
三賢者の強い勧めにより、一日だけ休みを取ることにします。
「せっかくだから休みを満喫しよう」と、ベンガーナの城下町を歩いていると、頭を抱えて悩んでいる男に出会いました。
その男は劇団の団長を名乗り、「大事な興行の前にヒロイン役の女優がケガをしてしまい、代役をさがしている」というのです。
さすがのレオナも、女優の代わりは出来ない…
と思いきや、説明を聞いているうちに考えを改めます。
なんでも芝居のタイトルは『おてんば姫の休日』。ヒロインはお忍びで街に出かけた元気なお姫様だったのです。
「こんなの私のために有るような役じゃない!」
そう考えたレオナは、演技未経験のまま舞台に上がる事に…!?
ネタバレ感想
おてんば姫のヒロイン役を、本物のおてんば姫であるレオナが演じるというお話。
タイトルが明らかに『ローマの休日』を意識していますし、他の4つと違って、かなりコメディー色が強かったです。
人助けするのに全く躊躇が無かったり、初めての演技なのに堂々としていたり、レオナのレオナらしい姿をたっぷりとみる事ができました。
劇団の中には、素人を舞台に上げる事を快く思わない人達も居ますが、未経験の筈が完璧に演技をこなすレオナに度肝を抜かれる事になります。
話の結末も綺麗にまとまって、全体的に楽しい回でした。
ダイの大冒険 それぞれの道 全体の感想
小説版かつ読み切りという事で、正直言って戦闘の迫力は本編に劣ります。しかしアバンの使徒たちの精神面を上手く描けていたと思います。
本編ではカッコいい印象が強いので、他人への指導に悪戦苦闘するダイや、自分の罪に直面するヒュンケルの姿は新鮮でした。
しかし彼らの抱える背景を考えれば、「そりゃそうだよな」と納得してしまいます。
いつものカッコいい姿を期待して読んだ人は、もしかしたら拍子抜けするかもしれません。しかし本作では敢えて、各キャラクター達の精神的なもろさが描かれているように感じました。
それぞれのキャラの心情を掘り下げた一冊なので、これを読んで各キャラへの理解がより深まったと思います。
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