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ダイの大冒険大好きサラリーマンのヘーボンです!
ミストバーンは魔王軍六団長の1人です。序盤から登場しながらも、その正体は外套に隠され、長い間謎に包まれていました。
名前に「バーン」という名前が入っていることからも、大魔王バーンの秘密に深く拘わる存在である事は間違いないと噂され、ファンの間で「バーンの息子説」「真のラスボス説」など様々な考察が繰り広げられたのです。
今回は作中で明かされたミストバーンの正体と素顔の秘密について、過去の伏線も含めて解説していきます。
ダイの大冒険の深刻なネタバレを含みますので、未読の方はここでページを閉じるか他の記事へどうぞ!
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ミストバーンの正体と素顔の秘密!解説と伏線まとめ【ダイの大冒険】
ミストバーンとは
ミストバーンは魔王軍の六将軍の1人であり、魔影参謀と呼ばれる男です。
しかし実際にはバーンの側近であり、その立場は魔軍司令であるハドラーをも超えるものである事が後に明かされます。
名前に”バーン”の名前が入っている事や衣の奥に隠された素顔、滅多に口を開こうとしないなど、物語序盤から「バーンに関する重大な秘密を握る存在」だという事が匂わされており、当時ファンの間ではその正体をめぐって様々な考察が生まれました。
ミストバーンの正体と素顔
ミストバーンの正体
ミストバーンの正体は”ミスト”と言う名の暗黒闘気の集合体です。
魔界において数千年もの間繰り広げられてきた戦いの思念から生まれた存在で、光の闘気以外のあらゆる物理攻撃が効かず、他人の身体を乗っ取る特性を持っています。
しかしミスト自身は他人の身体を奪うことでしか強くなれない自分の身体を「忌まわしい」と考えており、バランやハドラーといった強靭な自らの身体を持つものに尊敬の念を抱いていたようです。
ミストバーンの素顔の秘密
大魔王バーンは永遠に近い生命を得るために、自らの肉体を二つに分けていました。
そして若い方の肉体に、肉体の時間を止める”凍れる時間の秘法”を施し、ミストに預けていたのです。
本来であれば”凍れる時間の秘法”をかけられた者は、どんな攻撃も受け付けない代わりに指先一本動かせなくなります。
しかしそこに他人の身体に取り付き操る事が出来るミストが憑依する事で、無敵状態のまま戦う事が出来る超戦士となりました。
バーンの肉体にミストが取り付いているその状態を、ミストバーンと呼んでいたのです。
普段はバーンの身体をミストの身体で覆い隠しており、この状態では暗黒闘気を駆使して戦います。
しかしミストがバーンの身体の内側に入り込むことで、バーンの強靭な力をフルに使えるようになるのです。
ミストバーンが沈黙していた理由
ミストバーンは本来「一度口を閉じたら数十年は開かない」と言われるほど寡黙な男です。
しかし実は、ミストバーンの沈黙は生来の性格ではなく、バーンから命令されたものでした。
ミストバーンは「ミストの声」と「バーンの肉体の声」の二種類の声を出すことが出来ますが、大魔王バーンの声を知っている相手に「バーンの肉体の声」を聞かれると、その共通点を見抜かれる恐れがあったためです。
「ならばずっと『ミストの声』で話せば良いじゃないか」と思ってしまいますが、バーンの肉体を晒している状態でミストが喋ると、それはそれで正体がバレる可能性があると考えたのでしょう。
ヒュンケルとの師弟関係
ミストバーンはヒュンケルにとって命の恩人であり、暗黒闘気の師匠でもありました。
しかしミストバーンがヒュンケルを育て上げたのには理由があったのです。
上述した通り、ミストバーンはミストがバーンの身体を借り受けた存在であり、バーンの身体はいずれ返さなくてはいけません。
ミストはバーンの身体に代わる新たな身体とするために、ヒュンケルを鍛えていたのです。
それは他人の身体を奪うことでしか強くなれない事がコンプレックスだったミストが、ぞれでも「自分自身を鍛えて強くなろう」とした結果だったのでしょう。
ちなみに”凍れる時間の秘法”は数百年おきに起こる皆既日食の時にしか使えないので、ヒュンケルの身体は年を取ってしまうはずですが、そこをミストがどうするつもりだったのかは不明です。
ミストバーンの正体はキルバーンも知らなかった?
アバンがモシャスでキルバーンに変化し、ミストバーンから正体を聞き出そうとしたところ、ミストバーンは「いかにおまえでもこの姿の真の意味を知れば生命はない」と語っていました。
このことから、ミストバーンの正体はキルバーンすら知らなかったと思われます。
…と言いたいところですが、実はキルバーンはミストバーンの正体に感づいていた可能性が高いのです。
なぜなら、キルバーンは初めてバーンとミストバーンの前に現れた際に、二人に対して「どちら様がバーン様で?」と聞いているからです。
普通に考えれば、玉座に座っている方がバーンだと分かりそうなものですし、なにより大魔王に対してその配下と区別が付かないかのような発言は失礼極まりないと言えます。
おそらくキルバーンは、バーンとミストバーンの関係を察した上で、敢えて見透かしているかのような発言をしたのでしょう。
その大胆不敵な態度が逆に気に入られ、キルバーンはバーンに客将として迎えられる事になります。
そもそもミストバーンが普段口数が少ないのは、上述した通りバーンの声を知っている相手にその正体を隠すためです。
そう考えるとキルバーンにこそ声を聞かれてはいけない筈なのですが、ミストバーンはキルバーンの前で度々喋っています。
おそらくキルバーンはミストバーンの正体を薄々察しており、ミストバーンも「どうせ気付かれてるだろうし、別にいいか」くらいの感覚だったのでしょう。
しかしキルバーンが気が付いている事を確信してしまうと、ミストバーンとしては立場上許すわけにはいかないので、お互いにハッキリと確認しないことが暗黙の了解だったのではないでしょうか。
ミストバーンの正体に関する伏線
前の項目でミストバーンの正体と素顔の秘密について解説しましたが、次はそれを踏まえた上で作中に示されていた伏線を見返していきたいと思います。
滅多に口を開かない
ミストバーンは魔王軍のメンバーの前でも滅多に口を開かないらしく、初めて喋ったシーンではそれだけで他の六団長に驚かれていました。
上述した通り、ミストバーンは「バーンの肉体の声」を聞かれることで、隠している「バーンの秘密」に気付かれることを危惧し、沈黙を貫いていたのです。
とはいえ、一度口を開けばわりと喋るので、ミスト自身は本来おしゃべりなのかもしれません。
バーンに対する絶対的な忠誠心
ミストバーンは「大魔王さまのお言葉はすべてに優先する」と口癖のように言っています。この事からもわかるように、登場時から大魔王への絶対的な忠誠心の持ち主として描かれていました。
この忠誠心は、バーンが大切な身体を託すという信頼を寄せてくれた事と、忌まわしい存在だと思っていた自分に存在意義を与えてくれたという気持ちから来ていたのでしょう。
ハドラーを復活させるミストバーン
ハドラーはヒュンケルとの戦いで一度は絶命しますが、ミストバーンが暗黒闘気の力で蘇らせます。
その際に「ハドラーは私かバーンさまの暗黒闘気がある限り蘇る」と語りますが、それはミストバーンがバーンと共通する能力を持っている事、そしてハドラーの部下でありながらハドラーを管理する立場にあることを示す言葉でした。
キルバーンと顔見知り
キルバーンが登場した時、ハドラーですら初めて会う相手であるキルバーンと、ミストバーンは顔見知りでした。
バーン直属のキルバーンと対等に口を聞いているという事は、ミストバーンもまたバーンから直接命令を受ける立場である事を示しています。
ハドラーに手を貸すミストバーン
自分を超魔生物へ改造する事を決心したハドラーは、その間の時間稼ぎをミストバーンに依頼します。
この願いをミストバーンは聞き入れますが、それまでハドラーを超える権力を持っている事が示唆され、バーン以外には非情な態度を取ることが多かったミストバーンの行動としては、この判断は意外でした。
しかしミストバーンの正体を踏まえた上で見れば、この時のミストバーンの心情が良くわかります。
ミストバーンは「自らを鍛えて強くなる事」ができないため、それを出来る相手に憧れを抱いています。
そして、全てをかなぐり捨てて強くなろうとするハドラーの姿こそ、ミストバーンが尊敬すべき戦士の姿でした。
おそらくこの瞬間、ミストバーンにとってハドラーは「利用するだけの対象」から「敬意を払うべき戦士」へと変わったのでしょう。
フードの下に隠された素顔
ヒュンケルとの戦いでミストバーンのフードが切り裂かれた際、そのフードの下に人の顔らしきものが隠されている事が判明しました。
それまでミストバーンの衣の中は黒い空間があるようにしか見えず、その正体はゴーストのような存在かもしれないと思われていましたが、ちゃんとした実態のある身体があることが示唆されたのです。
しかもミストバーンはその素顔を見られた事でかつてないほど激昂し、その素顔にとてつもない秘密があると読者に印象付けました。
後から振り返ってみると、この時に見えたのはバーンの顔であり、それを覆い隠していた黒い空間こそがミストの身体だった事が分かります。
実態がないと思われたミストバーンに実は身体があると思わせておいて、実際にはそれ以外が本体だった…読者の心理誘導が非常に巧みな伏線の張り方ですね。
シャドーを分身と呼ぶミストバーン
ミストバーンは自分の配下であるシャドーを「我が分身」と呼び、自分に代わって鬼岩城を動かすことを命じます。
ここで、シャドーなどという雑魚モンスターに重要な役目を任せる事を意外に思った読者も多いのではないでしょうか。
しかし、言葉通りシャドーがミストの分身であるならば、重要な役目を任せるのも納得です。
ミストの正体は暗黒闘気の集合体、その姿はシャドーともよく似ています。
おそらくここで登場したシャドーは、ミストが自分の身体を構成する暗黒闘気を分けて生み出した存在だったのでしょう。
つまり「分身体がシャドーである」という事実が、ミストバーンの正体を示す伏線だったという事になります。
はっきり「分身」と言っているにも拘わらず、直前に衣の下の顔を見せられたせいで「ミストバーンは実態のある存在だ」と多くの読者が思い込まされてしまいました。
ヒュンケルを執拗に攻撃するミストバーン
フードの下に顔があることを知られたミストバーンは、すでに正義の使徒たちに闘魔滅砕陣をかけているにも拘わらず、ヒュンケルにだけさらに闘魔傀儡掌を掛けました。
しかしそれによってヒュンケルは、ミストバーンがヒュンケルを真っ先に始末しようとする理由を「ヒュンケルだけがミストバーンの素顔の秘密に気が付く可能性があるからだ」と看破する事になります。
ヒュンケルがどの程度バーンについて知っていたかは想像するしかありませんが、ミストバーンの弟子であり、バーンのお気に入りでもあったというヒュンケルは、他の軍団長たちよりもバーンに近い位置にいたことは間違いありません。
秘密の顔を見られた事で動揺したミストバーンは、正義の使徒の中で一番バーンについて詳しいであろうヒュンケルを真っ先に始末しようとしたのです。
”闇の衣”を脱ぎ払おうとするミストバーン
ミストバーンはダイに鬼岩城を両断されたことで、激しく激昂します。
そして「真の力を見せる」と言って、なんと先ほどまでひた隠しにしていた素顔を自ら見せようとしたのです。
結局それはキルバーンによって止められましたが、正義の使徒たちはただそれだけで鬼岩城を上回るほどの威圧感を感じており、ミストバーンには隠された恐るべき力があることが示唆されました。
後になって考えれば、ミストバーンはこの時バーンの身体を使って戦おうとした事が分かります。
ミストがバーンの身体の内側に入り込むことでミストバーンは完全な無敵状態になり、もしここでその状態になっていたら正義の使徒に勝ち目は無かったでしょう。
もっともそれは不特定多数の人間の前にバーンの秘密を晒すという事でもあるので、ミストバーンにとっては絶対にやってはいけない事でした。
ハドラーの中に黒の核晶がある事は知らなかった
ハドラーとバランの戦いの中で、バーンがハドラーの身体に黒の核晶を埋め込んでいた事が判明します。
しかしそれをミストバーンは知らなかったようで、その事実に激しく動揺していました。
当時ミストバーンの正体について、ファンの間では「バーンと同一人物説」や「ミストバーンこそが本当の大魔王説」と言った考察が有力でした。
しかしだとするとミストバーンが黒の核晶について知らない筈はなく、このシーンによって「ミストバーンはあくまでもバーンの配下である」と示された事になります。
ちなみにこの際にバーンはミストバーンに「おまえにはあんな物騒なものは付いとらん。付けよう筈が無いではないか?」と意味深な事を言っています。
後になって考えれば、これはミストバーンの衣の下の身体が、バーン自身のものだったからだと分かります。
明かされた素顔とバーンと同じ魔法力
ハドラーの身体に埋め込まれた黒の核晶をバランが抑え込もうとしますが、そこにミストバーンが現れ、突然素顔を見せた上に、黒の核晶を起動してしまいました。
黒の核晶に爆破指令を与えられるのは、それを造ったバーンの魔法力だけ…それに爆破指令を与えたという事は、ミストバーンはバーンと全く同じ魔法力を持っているという事になります。
どうやらダイの大冒険における魔法力とは、肉体に依存するエネルギーのようです。
だからこそバーンの肉体を持つミストバーンは爆破指令を出すことが出来ましたし、素顔を晒すリスクを冒してまでバーンの身体を使う必要があったのでしょう。
またこのシーンまでは「ミストバーンの正体は既出のキャラの誰かなのでは?」と読者の間で言われていましたが、ここで素顔を晒したことで、完全に否定されました。
ヒュンケルを勧誘するミストバーン
ヒュンケルとクロコダインが魔王軍に捕まった際、牢屋にミストバーンが現れ、ヒュンケルに再び魔王軍に加わるように勧めました。
単純に強い味方が欲しいだけならクロコダインにも同じように声を掛ける筈であり、ミストバーンがヒュンケルにだけ異様に執着していることが見て取れます。
ミストバーンがヒュンケルにここまで執着したのは、バーンに身体を返した後の代わりの肉体とするためでした。
かつてヒュンケルの生命を救ったのも、暗黒闘気を教え込んだのも、その身体を自分が使いやすくするため…
ミストバーンはヒュンケルをいざという時のためのスペアとして傍に置いておきたかったのです。
ロン・ベルクに声を聞かれて焦るミストバーン
クロコダインとヒュンケルのために用意された処刑場で、ミストバーンはロン・ベルクと戦うことになります。
ここでミストバーンはロン・ベルクに声を聞かれて、焦ったような仕草をしました。
それまでミストバーンはその素顔に秘密がある事は匂わせていましたが、相手によっては声も聞かれるとまずいという事が示唆された事になります。
上述した通り、ミストバーンは自分とバーンの共通点を見抜かれる事を恐れています。
そしてロン・ベルクはかつてバーンの宮殿に鍛冶師として招かれていた事があり、その際にバーンと直接顔を合わせて会話しているのです。
ロン・ベルクがどの程度バーンの傍に居たのかは不明ですが、少なくとも一度バーンと顔を合わせた程度のダイたちよりも、遥かに警戒しなければいけない相手だったのでしょう。
閃華裂光拳が効かない
ホワイトガーデンの戦いで、マァムはミストバーンの正体を生身の生命体と考えて閃華裂光拳を放ちますが、クリーンヒットしたにも拘わらず全くダメージがありませんでした。
それもその筈、ミストバーンの正体であるミストは暗黒闘気の集合体であり、その下のバーンの身体は”凍れる時間の秘法”で無敵状態なのですから、実態のある生命体にしか効果のない閃華裂光拳ではダメージを与えられなかったという訳です。
無尽蔵な体力
ホワイトガーデンの戦いで、ミストバーンはずっと戦い詰めだったにも拘わらず、疲弊も負傷もしていませんでした。
三人がかりで有利に戦っているはずのポップ、マァム、ラーハルトの方が先に疲れてしまうほどです。
これもまた、ミストの身体が疲れる事を知らない暗黒闘気の集合体であるからでした。
多くの考察を生んだミストバーン
原作者の三条先生曰く、ミストバーンの正体は登場時から細部まで決められていたそうです。
見るからに「重大な秘密が隠されています」と言わんばかりの外見に、ファンの間ではその正体を突き止めようと数多くの考察が生まれました。
蓋を開けてみれば「悪のエネルギー体かのように見えたミストバーンに、実は肉体が有った…と思わせてやはり正体は悪のエネルギー体」という結論。
この伏線の張り方には、見事に振り回されてしまったという読者も多いのではないでしょうか。
あなたはいつ頃ミストバーンの正体に気が付きましたか?
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