こんにちは!
漫画大好きサラリーマンのヘーボンです!
みなさん、中国の春秋時代を題材とした漫画って何か知ってますか?
「キングダム」?確かに流行ってますね!
でも僕がお勧めしたい漫画は他にあります。
↓その漫画がこちら↓

「東周英雄伝」(鄭問)
春秋時代に活躍した英雄たちの逸話を描いた短編集です。
キングダムが話題になっているので、中国の春秋時代がどんな時代だったのか気になっているという人も多いのでは…と思います。
とはいえ春秋時代って約320年間もあって、全部を調べるのは大変ですよね…。
そんな人におすすめしたいのがこの「東周英雄伝」、特に面白い逸話をピックアップした短編集なので、春秋時代にどんな英雄が居たのかザックリ知りたい人におすすめの作品です!
短編の一つをネタバレありで紹介しますので、全くネタバレしたくないという人は、下のリンクから飛んでください。
「東周英雄伝」ネタバレあらすじ
※短編集の中の、逸話の一つを紹介します。
天下統一を目前とした秦王(後の始皇帝)は、最後の障害である楚国を攻めるために、必要な兵力を配下に協議させていました。

秦王はまず、過去の功績が最も高い老将である王翦(おうせん)に質問します。
すると王翦はなんと60万もの兵力が必要であると述べました!

60万と言えば秦に存在する全兵力です!
秦王は驚き、そんな兵力は任せられないと王翦の主張を突っぱねます。
疑り深い秦王にとっては、もはや勝つと分かっている楚国よりも、大軍を預けた部下が裏切ることの方が怖かったのです。
そこで声を上げたのが若き将軍、李信(りしん)でした。

「自分に任せて貰えれば20万の兵力で充分」
そう豪語する李信に秦王は気を良くし「王翦はもう老いた、やはり若い将に任せるべきだろう」と李信に楚国攻めを命じます。
歳のせいで侮られた事を悟った王翦は、ここが引き際か…と引退することを決めます。
しかしその前に李信に声を掛けました。
さては役目を奪った文句を言われるのかと身構える李信ですが、王翦の用事とは「李信の家が気に入ったから売ってほしい」という内容でした。

突然斜め上な話題を振られて李信は戸惑いますが、押し切られて王翦に家を売ることになりました。
そして李信は出兵します。
・・・が、調子が良かったのは最初だけ…
20万の兵では楚国の広大な土地を攻め切る事は出来ず、最後に反撃を受けて敗北してしまいました。

この知らせを聞いて秦王は自分の失敗を悟ります。
楚国を攻めるためには、やはり60万の兵力と王翦の力が必要だったのです!
すぐさま王翦の家を訪ねる秦王。

秦王は渋る王翦に以前の非礼を詫び、自ら頭を下げることでなんとか出兵を引き受けさせました。
今度こそ60万の兵力で出兵することになった王翦ですが、秦王にまだ要求があると述べます。

「これ以上、何を要求するのか」と驚く秦王に、王翦は「勝利した暁には褒美をたっぷり欲しい」と欲しいものリストまで用意してきました。
急に俗な事を言い出したかつての名将に若干引き気味の秦王ですが、「言われるまでも無く、褒美を惜しむつもりはない」と了承します。
しかし王翦は何度も秦王に念押しし、出兵した後も戦場から確認の書状を送ってくるほどでした。
・・・そんな中、王翦が手柄を立てることを良く思わない者が秦王に囁きます。
「こんなに欲深い王翦に60万もの兵を預けておくのは危険です。すぐに兵権を取り上げるべきです」
秦王は元々疑り深い男です。
こんなことを言われては王翦を疑わずには居られない…と思いきや、なんと秦王はその進言を笑い飛ばしました。

「王翦は俺から貰えるご褒美の事で頭が一杯だ。裏切りなど考えもしないだろう」秦王はそう考えていたのです。
そう、王翦は誰かが自分の足を引っ張ろうとする事と、秦王の疑り深い性格を計算した上で、敢えて欲深い姿を見せて信頼を得たのです。
そして見事な勝利を収めてきた王翦に、秦王は約束通りの褒美を与えたのでした。

戦いが終わった王翦が次に訪ねたのは、前の戦いに敗れ地位を失った李信の元でした。
秦王からより良い土地を貰ったので、以前買った家は李信に返すと言い出す王翦。
その時になって、李信は全てを悟ります。
以前王翦が李信の家を強引に買い取ったのは、李信が任務に失敗し、平民に落とされることを予測した上で、李信の財産を守ってくれたのだと…。

あらゆる戦いに勝利したと言われる王翦は、実は世渡りの達人でもありました。
「東周英雄伝」他の短編の主人公
張儀(ちょうぎ)

楚国で貧しい生活をしていた上に、泥棒の汚名を着せられて落ちぶれますが、後に這い上がり秦国の宰相となります。
非常に舌の回る男で、その舌先により他国を惑わせ、従わせ、秦国を戦国七雄と呼ばれる国の中で最強に押し上げました。
桓公(かんこう)

春秋時代の最初の覇者となった男。
後継者争いの際に兄の放った刺客 管仲が放った矢で死にかけますが、そのまま死んだふりをして兄や管仲の目を油断させ、見事君主となります。
そして自分を殺しかけた管仲を宰相に任じる懐の深さを見せ、感激した管仲は桓公の為に天下を射止めてみせました。
孫子(そんし)

呉国に仕えた軍事思想家で、本名は孫武。
王が意地悪で「余の寵姫を兵として訓練できるか?」と聞くと、「できる」と答えて寵姫や官女を訓練することになりました。
孫子はいう事を聞かない寵姫を容赦なく死罪とし、それを見た残りの官女達は必死に訓練に励むようになったと言います。
彼の残した「孫子の兵法書」は武田信玄やナポレオンに大きな影響を与えました。
贏政(えいせい)

後の秦の始皇帝。
幼いころは趙国で人質として過ごし、母と共に過酷な生活を強いられていました。
父親が秦王となったため秦国に戻され、その後すぐに父親が死んだため幼くして王位を継ぎます。
周囲からは傀儡の王として扱われ、信じていたはずの母にも裏切られ、誰も信じない非情の王へと成長しました。
中国史上、最も偉大な王であるとも、最も恐ろしい暴君であるとも言われた人物です。
「東周英雄伝」感想
キングダムほどの知名度はありませんが、春秋時代の面白いところだけを凝縮したようないぶし銀な漫画です。
短編集なだけあってテンポが良く、スラスラ読める上に面白い!!
3巻まで出ていますが、すぐに読んでしまいました。
・春秋時代の英雄たちを描いた短編集
・テンポが良くて面白い!
・長い春秋時代の面白い部分だけを紹介してくれる。
・中国史初心者にこそお勧め!
「春秋時代に興味あるけど、何から読んでいいか分からない…」という方に是非読んでほしいです。
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