こんにちは!
ダイの大冒険大好きサラリーマンのヘーボンです!
感動的な名シーンが多いダイの大冒険ですが、誰もが知っているような有名なシーン以外にも、初見では流してしまいがちだけれどよく考えると意味深なシーンというものが存在します。
今回はそんな隠れた名シーンと呼ぶべき場面を紹介していきます。
ダイの大冒険のネタバレを含みますので、気にする方はここでページを閉じるか他の記事へどうぞ!
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名シーン① 鎧武装フレイザードが負けた本当の理由
フレイザードは多彩な技や呪法を用いてダイたちを苦しめますが、ダイが空列斬を習得したことでコアを破壊されてしまいます。
もはや勝負はついたかに見えたその時、ミストバーンが現れ、フレイザードを炎の暗黒闘気と化し”幻影魔団最強の鎧”に憑依させてしまいました。
通称「鎧武装フレイザード」と呼ばれる姿です。
まさかの復活を果たしたフレイザードは再び暴れだしますが、それでもアバンストラッシュを完成させたダイにとっては敵ではなく、あっさりと両断されてしまいました。
しかしこのシーンのフレイザード…パワーアップしたという割に弱過ぎだと思いませんでしたか。
ダイが強くなったと言えばそれまでですが、フレイザードはそれまでダイの力を認めた上で氷炎結界呪法や弾岩爆花散といった技を駆使して対抗していました。
それが鎧武装フレイザードになってからは、なんの戦法もなくただ突進していくだけなのです。
確かにパワーは上がっているのかも知れまんが、かなり小物臭い姿に感じてしまいます。
しかしこのシーン、実はフレイザードは小物臭く見えるどころか、本当に弱体化していた可能性が高いのです。
そもそもフレイザードはザボエラから『炎のような暴力性と氷のような冷徹さが同居した男』と称されており、行動力と冷静さを併せ持っていることが強みでした。
ただしフレイザードはコアを砕かれた時点で氷の身体を失っています。
つまり、フレイザードは氷の身体と共に冷静さまでも失ってしまい、その結果相手に突進するだけの猪武者になってしまったという事です。
名シーン② ザムザを理解するダイと偽物の最強剣
ザムザはロモス国に潜入していた魔王軍の幹部で、武術大会を利用して人間たちを実験材料にしようとしたところ、ダイたちと戦うことになります。
登場時期も短く、バランというインパクトのある強敵の直後に戦うことになったので、あまり印象に残っていないという方もいるかもしれません。
しかし超魔生物を9割方完成させたり、ロモスにあった覇者の剣をすり替えハドラーに渡したりと、ザムザが物語へ与えた影響は意外なほどに大きいです。
そもそもザボエラの息子でもあるザムザは、人間をゴミ呼ばわりするなど、当初は父親同様の外道な言動が目立っていました。
ところがその後の回想シーンで、ザムザ自身がザボエラから”道具”扱いされてきたことが判明し、それでも父親のために身を犠牲にする献身的な人物だったことがわかります。
マァムやポップは、ザムザの死に際からそのことを察し「きっと父親に褒められたかっただけなんだ」と同情しました。
そしてそのシーンで「なんとなくわかるよ」と呟くダイと、ザムザがすり替えた偽物の覇者の剣が意味深に強調されていたのです。
このシーンの意味を、みなさんはどう理解したでしょうか。
ダイの「なんとなくわかるよ」というセリフは、ダイの父親であるバランを思い起こしての言葉であることはわかるでしょう。
しかし少し前のシーンで、ダイがザムザと全く同じ状況に陥っていたことまで思い当たった方はどれくらいいるでしょうか。
それはバランが、ダイを自分の言いなりにするために記憶を消してしまった時のことです。
全てを忘れたダイは、記憶を奪った張本人であるバランを父親であるというだけで信頼し、付いて行ってしまおうとしました。
まるで、どんな酷い扱いを受けても父親に尽くそうとしたザムザのように…
逆に記憶を取り戻した後のダイは、ザムザと対照的な行動を取っています。
そう、ザムザというキャラクターはまさしくバランに洗脳されたまま成長したダイの姿と言えるのです。
ザムザが最後に呟いた「オレの戦いはムダじゃなかった…は…ず…」というセリフからは、自分の人生を肯定しきれないザムザの悲哀を感じてしまいます。
ダイはそんなザムザに自分の姿を重ね合わせたからこそ、「なんとなくわかるよ」と深く共感したのでしょう。
そこまで踏まえてみると、強調されていた偽物の覇者の剣の意味も見えてきます。
誰しもが「自分の人生の主役は自分自身」である筈ですが、ザムザは自分が主役になる道を選ばなかった男です。
偽物の最強剣は、そんなザムザの人生を象徴したものだったのでしょう。
名シーン③ バラン VS キルバーン 実は因縁の対決だった!?
元々魔王軍の一員だったバランですが、ダイたちとの戦いを通して考えを改め、魔王軍と距離を置くようになります。
バーンはそれを危険視しキルバーンを送りこみますが、バランそれを返り討ちにし、バランと魔王軍が完全に対立することになりました。
キルバーンはキルバーンであっさりやられたと思いきや、実はこの時に付着したキルバーンの血が真魔剛竜剣を腐食させており、バランはそのせいでその後のハドラー戦で不覚をとることになります。
その際にキルバーンは「これはボクの呪いだよバラン君」と述べており、キルバーンの執念深さに思わずゾッとされられた方も多いのではないでしょうか。
初見では「キルバーンって執念深い奴だなあ…」という感想しか抱けませんが、ストーリー終盤まで読むとバランとキルバーンには元々因縁があったことに気が付きます。
というのも、実はキルバーンの主人は大魔王バーンではなく、かつてバランによって倒された冥竜王ウェルザーだったのです。
つまりキルバーンにとってバランは主人の仇だったという事になります!
キルバーンがバラン抹殺の際に見せた執念深さは、単に「バーンからの仕事だから」という理由ではなく、「真の主ウェルザーの仇」という理由があったからなのでした。
名シーン④ ハドラーはポップのメドローア習得を予測していた!?
呪文の効かないハドラー親衛騎団に対抗するために、ポップは師であるマトリフに相談し極大消滅呪文メドローアを伝授されます。
オリハルコンの敵であっても消し去ってしまう大呪文を習得したポップは、サババでの親衛騎団との戦いで早速メドローアを使おうとしました。
ところがなんと敵のシグマが呪文反射のアイテム”シャハルの鏡”を持っていたために、簡単には使えなくなってしまうのです。
しかしここで一つ疑問が生まれます。
このシャハルの鏡はハドラーがシグマに与えたものらしいのですが、なぜ呪文の効かないシグマに呪文反射のアイテムを持たせたのでしょう。
ハドラーが自分でシャハルの鏡を使う事も出来たでしょうに、既にこの上ない防御力を持つオリハルコンの戦士に更に防御を固めさせるのは、無意味とは言いませんがかなり勿体ないです。
実はこの疑問、ポップがメドローアを習得してくることをハドラーが予測していたと考えると納得できます。
後に分かることですが、そもそもメドローアとはマトリフが対ハドラー用にあみ出した呪文です。
つまりハドラーがメドローアの存在を知っていたとしても、何ら不思議はないという事になります。
メドローアの恐ろしさをよく知っていたハドラーは、呪文の効かない親衛騎団にもメドローアだけは効いてしまうと気が付いたのでしょう。
そして「ポップであればメドローアを習得してくる可能性は十分にある」と考え、その対策としてシグマにシャハルの鏡を持たせたのです。
結果としてその予測は的中し、ポップはシャハルの鏡に大いに苦戦することになります。
名シーン⑤ ベンガーナ兵がハドラー親衛騎団に「真っ先にやられた」理由
サババを奇襲してきたハドラー親衛騎団はダイたちの活躍により撃退しましたが、先に戦っていた兵士たちは手酷い傷を負わされてしまいました。
そこにアキームが駆けつけ、「我が無敵ベンガーナ軍の精鋭たちは何をしていたのだ!?」と問いかけたところ、そばに倒れていたゴメスから「真っ先にやられちまった」と言われてしまうという一幕があります。
おそらくこのシーンを見た殆どの人は「ベンガーナ兵って情けないなあ」という感想以外は抱けなかったのではないでしょうか。
しかしちょっと待ってください。
実を言うとやりとり、情けないどころかベンガーナ兵の矜持を大いに表しているシーンでもあるのです。
そもそもハドラー親衛騎団相手に兵士たちだけで勝てないのは仕方ないですし、「真っ先にやられた」という事は、裏を返せば「誰よりも早く戦った」という事でもあります。
ここで鬼岩城との戦いを思い出してみましょう。
無謀な戦いに挑もうとしたアキームがクロコダインに止められたとき、アキームは「我らは世界の先陣を切って戦う勇気をみせねばならんのだ」と言い返しました。
そしてそれは今回のベンガーナ兵の姿にも言えることです。
ハドラー親衛騎団を敵わぬ相手と知りながらも真っ先に戦いを挑んでいったというベンガーナ兵…将であるアキームの矜持は兵たちにもしっかりと引き継がれいたという事でしょう。
ノヴァのセリフに「勇者とはみんなに勇気を湧き起こさせてくれる者」というものがありますが、そういう意味ではベンガーナ兵たちも立派に勇者だったと言えます。
名シーン⑥ 超熱拳を使うハドラー
ハドラー親衛騎団のヒムの必殺技と言えば、拳にメラ系の呪文の威力を込めて殴りつける超熱拳です。
この超熱拳をハドラーも使ったことがあるというのをご存じでしょうか。
それはヒュンケルがバラン相手に無刀陣を仕掛けようとしたとき、魔王時代のハドラーとアバンの戦いの回想の中で登場します。
アバンは敢えて剣を捨て、ハドラーの攻撃を受けることで隙を生み出し、反撃のアバンストラッシュでハドラーを撃破しました。
そのシーンでハドラーが使った攻撃が、超熱拳であると言われています。
ハドラーはアバンに拳で殴り掛かっていますが、その拳からは光のようなものが出ており、何らかの魔法力が込められていることが推測できます。
それがメラ系呪文であれば完全に超熱拳ですが、あいにくこの画像からそこまでは断言できません。ただし、少なくとも超熱拳の原型となった技である可能性は高いのではないでしょうか。
ヒムはその魂だけでなく、必殺技までもハドラーから引き継いでいたという訳です。
名シーン⑦ イオナズン VS アバンストラッシュ
バーンパレスに攻め込んだダイとバランの前に、超魔生物となったハドラーが立ちはだかります。
ハドラーがパワーアップしていることを知らないバランのために、まずはダイが一人で戦い始めますが、そこでハドラーのイオナズンとダイのアバンストラッシュがぶつかり合いました。
このイオナズン VS アバンストラッシュですが、実はデルムリン島におけるハドラーVSアバン戦のセルフオマージュになっています。
上記の画像がそのシーンです。
ダイが紛れもなくアバンの意志を継いで戦っているという事を示す演出ですね。
名シーン⑧ アバンと全く同じことを言うバラン
ハドラーとの戦いで重傷を負ってしまったダイを守るため、バランはダイをラリホーマで眠らせた上で自分1人で戦おうとします。
その時にダイがバランに「どうしてアバン先生と同じことをするんだ」と聞きましたが、実はバランは行動だけでなく、セリフまで全く同じことを言っていたことに気が付いたでしょうか。
少し時間を戻して、バランがハドラーに黒の核晶が仕掛けられていることに気が付いたシーン。
バランは自分が黒の核晶の爆発を抑え込むから、ダイは先に脱出するように言います。
その際のバランのセリフは「ハドラーだけは私が倒す、その後のバーンとの戦いは任せた」というものでした。
実はこのセリフが、メガンテを仕掛ける前のアバンのセリフと同じになっているのです。
前の項目で紹介したイオナズン VS アバンストラッシュもそうですし、ここのハドラー戦にはアバンを髣髴とさせる演出が沢山盛り込まれていますね。
ダイの大冒険に隠された名シーンの数々
以上、意味が分かると100倍面白い!隠れた名シーン8選如何でしたでしょうか。
誰もが知っているような名シーンは当然感動的なものばかりですが、他の人は気付いていないような隠れた意味に気が付いた時って嬉しくなってしまいますよね!
ダイの大冒険は特にそういう隠れた演出が多く、一度読み終わった後にもう一度ゆっくり読み返してみると、初見では気が付かなかった繋がりに気が付いたりします。
まさに何度読んでも飽きない名作と言えますね。
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コメント
シャハルの鏡はハドラーじゃなくて
バーンから貰ったんじゃなかったっけ。
だからハドラーが死んでも鏡だけは
残ってるとか何とか言ってような。
シャハルの鏡はハドラーがシグマに与えたものですね。
ハドラーが呪法で生み出したものではなく、元々存在したアイテムだからシグマやハドラーの死後も残ったという訳です。