こんにちは!
小説家になろう大好きサラリーマンのヘーボンです!
私は小説家になろうの作品の中でも特に悪役令嬢ものが好きなんですが、今回はちょっと変則的な悪役令嬢ものを見つけたのでご紹介します。
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「レディローズは平民になりたい」(こおりあめ)
一般的な悪役令嬢ものは、自分の破滅の運命を回避しようとする物語です。
しかし本作のヒロインが転生したのは悪役令嬢ではなくヒロインで、あえて悪役令嬢に敗北するエンドを目指すのです。
いえ、正確に言うと本編開始時点で既にバットエンドを迎えており、主人公が貴族社会から追放されるところから物語が開始します。
本来ヒロインに転生した主人公が、あえて悪役令嬢の道を選ぶ「ちょっと切り口を変えた悪役令嬢もの」という感じの作品です!
序盤のネタバレありで内容を解説していきますので、全くネタバレしたくないという人は下のリンクから飛んでください。
「レディローズは平民になりたい」あらすじ(序盤ネタバレあり)
美しく優秀だった主人公のフェリシアは、貴族学園で完璧令嬢レディローズと呼ばれていました。
しかしある日突然、婚約者のセス殿下から婚約破棄を突き付けられてしまいます。二人の仲に嫉妬したリリアナが、フェリシアに虐められたと嘘を付いたのです。
フェリシアは自分の無実を訴える・・・かと思いきや、なんと「それが殿下の望みでしたら」と一切反論せずに受け入れます。
そしてそのまま貴族社会を追放されてしまうのでした。
濡れ衣を着せられて、婚約者にも家族にも見放されたフェリシア。一人になったとたん、我慢の限界が来たかのように叫びます!
「やっっと婚約破棄してくれたわ!正直あんな我儘な俺様王子大嫌いだったし、厳しい王妃教育も堅苦しい貴族社会もうんざりだった。でも今日からは自由だ!リリアナちゃん!私を嵌めてくれてありがとーー!!」
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フェリシアには実は前世の記憶がありました。
前世でプレイしていたゲーム「救国のレディローズ」のヒロインとして転生したレティシアでしたが、よりによってゲームで一番嫌いだった俺様王子と婚約させられてしまいます。
「愛のない家族の為に望まない結婚をさせられるなんて冗談じゃない・・・そうだ!悪役令嬢にわざと負けてしまえば、俺様王子とも結ばれずに自由になれるのでは?」
そう考えたフェリシアは「悪役令嬢リリアナが自分を陥れようとするイベント」を利用して、まんまとセスや家族と縁を切ることに成功するのでした。
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計画通り貴族社会を追放されたフェリシアは、平民フィー・クロウとして下町のパン屋で働き始めます。
これからは自由な平民ライフを満喫できる…と思いきや、フェリシア(以下、フィーと呼びます)を高く評価していた知人たちは、追放処分に納得していませんでした。
自由を満喫するフィーの元に、かつての知人たちが次々と訪ねて来て、こう告げます。
「君の冤罪を晴らし、フェリシア・スワローズとして戻ってきて欲しい!」
(い や で す !)
果たしてフィーは自由な平民生活を守れるのか。
主な登場人物
フィー・クロウ(フェリシア・スワローズ)(レディローズ)
乙女ゲーム「救国のレディローズ」のヒロインで転生者。
前世の兄に対しトラウマを抱えており、そのトラウマを刺激するセスを嫌悪しています。
両親からは道具としてしか見られていないことを理解していたため、家を離れることに迷いはありませんでした。
貴族時代は婚約破棄イベントまで辿り着くためにゲームのヒロインらしい振る舞いを演じており、完璧令嬢レディローズと呼ばれ慕われていました。
本人はそれを前世の知識や主人公補正のおかげだと考えていますが、実は転生前からスペックは高かったようです。
物語は基本的にフィー視点なのでわかりにくいですが、自分の能力に無自覚なタイプの主人公といえます。
ニコラス・キャボット(ニカ様)
セスの腹違いの兄で、フィーのことを妹のように可愛がっていました。
フィーが冤罪であることを確信しており、連れ戻そうとしますが、フィー自身により断られます。
その後も隙あれば様子を見に来るなど、フィーのことをなにかと気にかけている様子。
フィーの一軒があるためリリアナに対しては強い不信感があるようです。
セス・キャボット
フィーの元婚約者で、ゲームのメインヒーロー。
リリアナの嘘を真に受けフィーに婚約破棄を宣言したように見えますが、実は本気でフィーを疑っていた訳ではなく、フィーが反論することを期待していました。
しかしフィーが罪を認めてしまったため、後戻りできなくなりその後リリアナと婚約することに・・・。
やることなすこと悉く裏目に出る、可哀そうな人。
リリアナ・イノシー
ゲームにおける悪役令嬢。
セスとフィーの仲に嫉妬し、フィーを陥れる形でセスの婚約者となりました。
しかし多くの人間がフィーの無実を信じているため、次期王妃の座を得るとともに人望を失ってしまいます。
立場上、なにかとフィーと比較されてしまいますが、メルヴィン曰く「本人のスペックは決して低くない」とのこと。
彼女なりに努力しているにも拘わらず評価されないので、むしろ彼女の方が可哀そうになってきてしまいます。
ナンシー
フィーが下町の教会で出会ったドジっ子シスター。
フィーにとっては初めての気の置けない友人です。
あまり物事を深く考えない素直な性格ですが、たまに達観したような発言をすることもあり。。。?
メルヴィン・クラウッド
公爵家の跡取りであり、”耳”と呼ばれる諜報員を持つ面白いこと至上主義の少年。ゲームでは攻略対象の一人。
リリアナとの一件でのフィーの行動を不審に思い、好奇心から接触してきます。
高い洞察力と情報収集力を持ち、貴族時代のフィーが演技した姿であったことを見破っていました。しかしそれがキッカケで、秘密の多いフィーにとってある程度本音を話せる相手となっていきます。
好奇心だけで動く野次馬タイプ・・・かと思いきや、けっこう面倒見良い人です。
「レディローズは平民になりたい」感想
設定は悪役令嬢ものに似ていますが、主人公が転生したのはあくまでもヒロインです。
バッドエンドを回避するのではなく、バットエンドを望んだうえでその後の物語にスポットを当てているのがこの作品の個性といえるでしょう。
主人公のフィーは平民となって生き生きと新生活を満喫していますが、フィーがいなくなった後の貴族社会で何事か起こっているらしく、フィーよりもむしろそちらの方が心配になってしまいます。
平民として生活するフィーに貴族時代の知り合いが訪ねて来ますが、最初はフィーを心配しているだけかと思いきや、次第にフィーを連れ戻そうとする何者かの意思が見えてくるようになり、だんだんと推理ものの様な雰囲気になっていきます。
主人公のフィーは非常に優秀なのですが、前世の記憶が有るがゆえにゲームキャラクターとの間に壁を作ってしまう部分もあり、周囲との認識の齟齬が物語の肝ともなっています。
転生って実際にあったらそんなにいいことばかりでも無いよね…というのが作者さんの考えなのかもしれません。
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