こんにちは!
小説家になろう大好きサラリーマンのヘーボンです!
悪役令嬢というジャンル。
小説家になろうの中では以前からブームとなっていましたが、最近はアニメ化される作品も出てきてより広く知られるようになりました。
当ブログでもいくつか紹介してきたのですが、とっておきの作品をまだ布教していない事を思い出しました。
↓その作品がこちら↓
「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」(永瀬さらさ)
物語中盤で死亡する悪役令嬢に転生してしまった主人公が、自分の破滅の運命を避けるために、ラスボスである魔王を味方に付けるというストーリー。
悪役令嬢ものと魔王ものを上手く融合させているのが特徴で、どちらかが好きな人はハマること間違いまりません。
序盤のネタバレありでレビューしていきますので、全くネタバレしたくないという人は、下のリンクから飛んでください。
「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」あらすじ(序盤ネタバレ)
「君との婚約は破棄させてもらう」
公爵令嬢アイリーンは、ある日婚約者であるセドリック皇太子からそう宣言されました。
その言葉が信じられず、アイリーンは愕然としてしまいます。
単純に婚約破棄がショックだった訳ではありません。セドリックのそのセリフに聞き覚えがあったためです。
(これって、乙女ゲームの婚約破棄イベントじゃ…)
婚約破棄をされたその瞬間、アイリーンは前世の記憶を取り戻していました。
ここは前世でプレイしていた乙女ゲーム『聖と魔と乙女のレガリア』の世界。そして、アイリーンはヒロインの邪魔をしたあげく婚約者を取られてしまう、いわゆる”悪役令嬢”だったのです。
現に今、セドリックは傍らにゲームのヒロインであるリリアを侍らせていました。
セドリックは単にアイリーンと婚約破棄するだけでなく、「リリアを虐めた」として断罪するつもりらしいのです。
アイリーンが作り上げた商会はセドリックに譲渡され、進めていた事業も全てセドリックの手柄となるとのこと。
ゲームではセドリックとリリアが上手く正当化されていましたが、実際に断罪される立場になってアイリーンは状況を正確に理解しました。
(どうやら私は、上手く利用されていたということね…)
してやられたという気持ちがフツフツと湧いてきますが、その感情を必死に押し止めます。
ここで取り乱してはもっと酷い状況に陥ってしまう事を、前世の知識により知っていたからです。
だから逆に、アイリーンは笑いました。
「なにもこんな大事にしなくとも、素直に仰ってくださればよろしかったのに。それではごきげんよう。セドリック様、お慕いしておりました」
最後まで淑女の礼を保ちつつ、その場を後にしたアイリーン。
しかし、内心では激しく焦っていました。
今後もゲームのシナリオ通りに進むなら、アイリーンはどう転んでも死んでしまうからです。
婚約破棄イベントはまだ中盤のイベントであり、終盤には人類を脅かす魔王との戦いが始まります。
最後にリリアが”聖剣の乙女”として覚醒し、魔王を倒すことでハッピーエンドとなるのですが…アイリーンはその戦いの中でいつの間にか死んでいたという、なんとも雑な最期を迎えるのです。
(さんざん利用されたあげく死んでしまうなんて、冗談じゃない……そうだわ!)
なんとか死の運命を回避できないかと考えたアイリーンは、一つの妙案を思いつきました。
そうしてアイリーンがやって来たのは、なんと魔王城。
「敵の敵は味方というものね」
そう、アイリーンは魔王を味方に付ける事で、死の運命を回避しようと考えたのです。
一見無謀な思い付きですが、アイリーンには勝算がありました。
魔王と人間の戦いが始まってしまえば、アイリーンは必ず死ぬ…しかし、実はゲームには魔王と敵対しないルートというのも存在するのです。
一週目では必ずヒロインと敵対する事になる魔王ですが、いわゆる”隠しキャラ”であり、二週目以降に攻略可能となります。
そしてそのルートでは、魔王はヒロインへの愛ゆえに、人間と敵対する事はないという訳です。
とはいえ、本来のヒロインであるリリアはセドリックとくっ付いたようなので、今からこの”魔王ルート”に入る事はないでしょう。
「ならばヒロインの代わりに、私が魔王に愛を教えれば良いんだわ!」
そう考えたアイリーンは、魔王城の扉に手をかけますが、錆び付いた扉はアイリーンの細腕ではびくともしませんでした。
「手伝おう」
「あら、ご親切に…」
後ろから声を掛けられたと思った瞬間、目の前の扉が消し飛びます。
顔を引きつらせたままアイリーンが振り返ると、そこにいたのは魔性の美貌を持つ長身の男――魔王でした。
「人間が何の用だ」
表情を変えないまま問いかけてくる魔王。
突然の不意打ちに、アイリーンは心臓が飛び出そうになっていました。
しかしなんとか感情を抑え、要件を口に伝えます。
「わたくしと、結婚して頂きたいの!」
「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」主な登場人物
アイリーン・ローレン・ドートリシュ
ドートリシュ公爵家の娘で転生者。
自ら商会を作り上げるほどの才女で、前世の記憶が戻るまではセドリックに相応しい人材になろうと精力的に働いていました。しかし、当のセドリックからは「可愛げが無い」と思われていたようです。
「破滅の運命を回避する」という展開は悪役令嬢物の定番ですが、アイリーンの場合、記憶を取り戻した時には破滅直前という状況なので、突然魔王に求婚するという強引な手段を取ることになります。
持ち前の行動力と機転で逆境をひっくり返していく、カッコいい主人公です。
クロード・ジャンヌ・エルメイア
魔物を統率する魔王。
実はエルメイア皇国の第一皇子ですが、魔王の生まれ変わりである事が判明。それ以来廃城に隔離され、魔物と共に生活しています。
魔物たちは本能的にクロードを主人と認めているようで、クロードも魔物を守るために人間と不戦協定を結んでいました。
ゲームのシナリオでは、人間への憎しみから完全な魔物へと覚醒。ヒロインであるリリアの前に、ラスボスとして立ち塞がる事になります。
セドリック・ジャンヌ・エルメイア
エルメイア皇国の第二皇子。アイリーンの元婚約者でもあります。
リリアと恋仲になったために、アイリーンを一方的に悪者にして婚約破棄しました。
非常に自分勝手な性格ですが、事前にアイリーンの手柄を横取りできるように手回ししておくなど、頭の回転は悪くないようです。
リリア・レインワーズ
セドリックの現婚約者。
ゲームのヒロインであり、物語終盤ではその身に聖剣を宿す”聖剣の乙女”として覚醒する事になります。
「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」感想
主人公のアイリーンがカッコいい!
アイリーンが前世の知識を武器に、自分の破滅を回避したり、登場人物たちの抱えた問題を解決していく…という流れなのですが、アイリーンはすぐに一つの問題に気が付きます。
ゲームのシナリオは、問題を表面的に解決しただけでハッピーエンドとしており、ゲームだから許されるご都合主義なものだったのです。
ハッピーエンドの陰で不幸になる者がいると気が付いたアイリーンは、それを良しとせず、問題の根本的解決を目指していくことになります。
誰も気付かないところで苦しんでいた人を救い上げるアイリーンはなんともカッコよく、女性でありながらヒーローのようなたくましさを感じてしまいました。
もちろん本来のヒーロー役である魔王クロードも、カッコいい姿をたくさん見せてくれます。
漫画とラノベ両方が発売されていますが、漫画は第一部までで完結しています。
物語を全部追いたいという方は、ラノベの方がお勧めです。
カッコいい女性の活躍が見たいという方は、ぜひ読んでみてください!
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悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました (syosetu.com)
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