こんにちは!
ライトノベル大好きサラリーマンのヘーボンです!
みなさん食べるの好きですか?
おそらく多くの人が『好き』と答えるのではないでしょうか。
好きの度合いを示す言葉として「三度の飯より好き」なんて言葉があるくらい、大多数の人にとって食事とは重要なものなのです。
とはいえ健康を考えるなら栄養バランスやカロリーなどの問題があるので、中々好きなものを好きなだけ食べるという訳にもいきませんよね…。
かくいう僕も、糖分や油っこいものを食べるときは量を減らしたり、後で運動したりと日頃の摂生を心がけています。
しかし…しかしです!!
それでも月に2,3回は来るんです…
健康なんて気にせず!思いっきりハイカロリーなものにがっつきたくなる日が!!
身体の健康はもちろん大事ですが、あまり我慢をし過ぎてもそれはそれで健康に良くありません。
たまには自分を許し、心の栄養補給をしてやることも必要なのです。
今回紹介する小説は、そんな事を考えさせられる作品です。
↓その小説がこちら↓
「堕落メシ!?」(中村颯希)
タイトルから分かるようにグルメ小説です。
生まれつき妖怪が見える体質せいで孤独に生きてきた女子高生が、嫌っていたはずの妖怪たちの作るグルメ、堕落メシを食べることで心が解きほぐされていくというストーリー。
登場する堕落メシはチーズ入りソーツカツやバニラアイス添えフレンチクルーラーなど、人の食欲と背徳感を刺激するハイカロリーメニューばかり!
でも大丈夫。
読むだけならゼロカロリーです!
あらすじと感想をレビューしていきますが、序盤のネタバレを含みます。全くネタバレせずに読みたい方は、下のリンクから飛んでください。
「堕落メシ!?」あらすじ(序盤ネタバレ)
八幡律子は生まれつき『あやかし』を祓うことができる誘鬼の才を持つ少女。
両親を亡くしたことで、叔母夫婦のいる神社で暮らすことになった律子ですが、新しく住むその町の風習に戸惑っていました。
その越田町の住人はおもてなし精神旺盛な人ばかりで、お客さんや近所の人を招いてもてなす『お呼ばれ』という行為が日常的に行われているというのです。
律子もまた叔母夫婦やクラスメイトから食事に誘われますが、誘鬼の才のせいで両親にさえ距離を置かれていたために、誰かと一緒に食事をとるという行為に馴染みがありません。
何度も誘いを断るうちに、そのクールが外見もあって周囲からは『氷の巫女』などと呼ばれるようになっていました。
しかしそれでも繰り返し誘ってくるクラスメイト 日向に律子は根負けし、とうとう『お呼ばれ』されることになりました。
揚げ物屋の娘だと話す日向の様子から、店先で揚げ物を食べる程度かと思っていた律子ですが、あれよあれよという間に家に上げられてしまいます。
どうやら想像以上に本格的なおもてなしらしいと悟る律子。
とはいえ律子も別に日向と仲良くしたくないわけではありません。
歩み寄ろうとしてくれていることはありがたいし、好意は素直に受けた方がよいとも理解しています。
しかし律子には、どうしても素直になれない理由があるのです。
(やっぱり…いる!)
食事の気配に誘われたのか、周囲にあやかしが集まっていました。
さっさと祓ってしまいたいところですが、日向の手前それも出来ません。
彼女は何も見えていないのですから…。
しかしあやかしたちは、そんな律子を煽るかのように騒ぎ始め、あろうことが料理中の日向にちょっかいを出し始めました。
「いい加減にして!」
思わず怒鳴りつける律子ですが、すぐに失敗を悟ります。
ショックを受けた顔をした日向が、こちらを見つめていたからです。
「あ、えっと…やっぱり迷惑だったよね…」
自分が怒鳴られたと誤解する日向。
そんな日向に対して、律子がとった行動は
「ごめん、帰るわ」
日向に背を向けて、その家を飛び出す事でした。
自宅に帰り、必死に心を落ち着けようとする律子。
(いつもそうだ…わたしが誰かに歩み寄ろうとすると、いつもあいつらが邪魔をする…)
そうしていると先ほどのあやかしたちが、律子を煽る様に騒いでいるのが目に入りました。
(あいつら…祓ってやる!!)
怒りの矛先をあやかしたちに向けた律子は、神社にあった短刀を手に取ります。
驚き逃げ出すあやかしたち。
その姿を追いかけていくうちに、律子は今は使われていない古びた神社に辿り着きました。
そしてそこではなんと、無数のあやかしが集まり宴を開いていたのです。
まさかの百鬼夜行との遭遇に怯みそうになる律子ですが、すぐに怒りを思い出しそのまま乗り込みます。
あやかしの一団の中心には一人の男がおり、先ほどのあやかしたちはその男の背中に隠れていました。
男は一見人間のように見えますが、その只者ではない雰囲気から律子は彼こそがこの集団の首魁であると悟ります。
「大仰なもん振り回してるじゃねえか巫女殿。見ての通り俺たちは宴の真っ最中だ、お引き取り頂けないもんかね?」
「いや」
男の言葉を真っ向から拒絶し、なおもあやかしに迫ろうとする律子。
それに対し、男は焦るでもなく煙管を吹かしてなにやら考え始め…
嗜虐的な笑みを浮かべました。
「しかたねえ。こいつ、堕とすか」
とつぜん雰囲気を変えた男に、律子は今更のように恐怖がこみ上げてきました。
ひょっとして自分は、とんでもない相手に喧嘩を売ってしまったのでは―
「この絶品ソースカツでなあ!」
「………は?」
「堕落メシ!?」主な登場人物
八幡 律子(はちまん りつこ)
神社の娘で、感情が高ぶるとあやかしを呼び寄せる誘鬼の才の持ち主。
そのせいで両親から疎まれ、親しい人も出来なかったので孤独な幼少期を送っていました。
人付き合いが下手なために越田町の住人の歓迎も素直に受け取れずにいましたが、あやかしの作る堕落メシによって徐々にその心が解きほぐされていきます。
冷たい態度だけど、内心ではみんなと仲良くしたいと思ってる、クーデレ系主人公です。
穂村(ほむら)
あやかしたちの集団の首領。
古びた神社で夜な夜な宴を開き、アイドルのように歌ったり、シメと称してハイカロリー料理(堕落メシ)を作っています。
怒りで我を忘れた律子に堕落メシを振る舞いますが、その真意は…?
猪狩 日向(いがり ひなた)
律子のクラスメイトで、揚げ物屋の娘。
何度も律子をもてなそうとする『典型的な越田町の住民』です。
非常に気が優しくおせっかい焼きな性格で、律子に誘いを無下にされても、めげずに歩み寄ろうとします。
天使かな?
巻田 さゆり(まきた さゆり)
日向の友人で香辛料店の娘。
言いたいことははっきりと言う性格で、日向の誘いを何度も断る律子に苦言を呈します。
里江(さとえ)
律子の叔母で、夫と共に越田八幡神社を切り盛りしています。
律子の事を気にかけていますが、両親を亡くして間もない律子に気を遣い、あまり踏み込めずにいました。
「堕落メシ!?」感想
人間関係に悩む少女が、お腹いっぱい堕落メシをたべて前向きになっていく物語。
「そんな単純な…」と思うかもしれませんが、食事の力を侮っちゃいけません。
食欲が湧かないと言って何も食べずにいると、どんどん気持ちが弱ってしまうもの…逆に食事さえしっかり取れていればまた力が湧いてきます。
主人公の律子については、正直いって人付き合いが下手なので、最初は読んでいてヤキモキさせられました。
しかし堕落メシを通して前向きに行動するようになると、周囲に必死に合わせようとしている姿が途端に可愛らしく見えていきます。
クーデレの心情をたっぷりと見せてくれるので、読んでいてニマニマが止まりません!
料理の様子も非常に具体的に描写されており、人間の本能に訴えかけるハイカロリー料理の数々にきっとあなたも食欲をそそられること請け合い!
笑って泣いてお腹がすく、一冊で三度美味しい物語です。
あなたもこれを読んで、心の栄養補給してみては?
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