こんにちは!
小説家になろう大好きサラリーマンのヘーボンです!
同じ話を主人公以外の別人視点でもう一度描写する展開ってありますよね。
「ひぐらしのなく頃に」の「綿流し編」と「目明し編」とか、最近だと進撃の巨人のライナー視点とかでしょうか!
主人公視点の時には気付かなかった新たな気付きを与えてくれて、読む前と後で作品の印象がガラッと変わってしまう事も珍しくありません。
↓今回紹介するのはそんなお話です↓
「レディローズは平民になりたい3 悪役令嬢リリアナの場合」(こおりあめ)
(WEB版タイトル:聖女リリーは殺されたい)
前回紹介した「レディローズは平民になりたい」に登場する悪役令嬢リリアナ視点の物語です!
WEB版タイトル物騒ですね…
【序盤ネタバレ】「レディローズは平民になりたい」あらすじ&感想
3巻という位置付けですが、この巻だけで独立した話になってます。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったリリアナ。破滅の運命を変えようと行動しますが、ゲームの強制力なのか、何も変わってくれません。
やはり運命は変えられないのか…と諦めたその時、なんとヒロインが冤罪で追放されてしまいました!
ヒロインに勝ってしまった悪役令嬢の、努力と苦悩の物語。
章ごとに内容をレビューしていきますので、ネタバレしたくない人は、下のリンクから飛んでください。
「レディローズは平民になりたい3 悪役令嬢リリアナの場合」各章ネタバレあらすじ
序盤、中盤、終盤で話の雰囲気が違うので、分けて解説していきます。
幸福編~リリアナ幼少期~
前世の記憶を取り戻したリリアナは、自分が乙女ゲーム「救国のレディローズ」の世界に転生したことに気付いて感激します。
なぜなら大好きなキャラクターだったセス・キャボットと同じ世界に生まれることが出来たからです。
それどころか上手く立ち回れば、将来セスと結婚することが出来るかもしれません。
しかしリリアナは悪役令嬢。いずれヒロインにセスを奪われ、追放されて平民に落とされる運命です。
「冗談じゃないわ!ヒロインなんかにセス様は渡さない!」
リリアナはセスの相手として、いずれ現れるであろうヒロインに負けないために作法や勉強に励むのでした。
「ありがとうございます、神様。今日も私は幸せです」
挫折編~リリアナ悪役令嬢時代~
リリアナの努力むなしく、セスはあっさりとヒロインであるレディローズに恋をしてしまいます。
それでもリリアナは諦めずに病的なまでの努力を続けますが、セスを振り向かせることは出来ず、むしろセスから恋愛相談されてしまう始末。
「やっぱりレディローズには敵わない。ゲームのシナリオは変えられないんだ。ならせめてセス様の幸せのために、悪役令嬢としての役割を全うしよう」
リリアナはシナリオ通りにレディローズを虐めるようになり、嘘の訴えをして陥れようとします。
その結果、自分が追放されることになると知っていながら…
聖女編~リリアナ婚約者時代~
何故かレディローズが嘘の訴えを受け入れてしまった為、リリアナはセスの婚約者となります。
思わぬ形で願いが叶いましたが、リリアナは自分のせいでシナリオが変わってしまったと考え、自責の念に苦しむように・・・。
せめて次期王妃としての役割を果たそうと働きますが、周囲からは「卑怯な手段で次期王妃になった」と冷たい目で見られてしまいます。
「私が居なければ、レディローズがセス様と結ばれていれば、全部丸く収まっていたのに…」
「なぜ私はこの世界に転生してしまったのだろう」
リリアナは転生した時以来の日課として、神様に祈りを捧げます。
「ありがとうございます、神様。今日も私は幸せです」
ーだから早く、殺してくださいー
主な登場人物
リリアナ・イノシー
乙女ゲーム「救国のレディローズ」に登場する悪役令嬢に転生した少女。
メインヒーローであるセス・キャボットに前世から恋焦がれており、ゲームの世界に転生したことにより恋が現実となりました。
非常に努力家な良い子なのですが、善人であるが故に自分を追い詰めていってしまうタイプで、正直読んでいるとフィーよりもリリアナに感情移入してしまいます。
セス・キャボット
ゲームのメインヒーローであり、リリアナの前世からの思い人。
尊大な態度をとることも多いですが、次期王として相応しくあらねばならないという責任感からくる態度で、根は善人です。
不言実行なところがあり、フィーに対してもリリアナに対しても本心を伝えられていませんでした。
フェリシア・スワローズ(レディローズ)
ゲームの主人公で、セスの元婚約者。
人を惹きつける不思議な魅力を持ち、完璧令嬢レディローズと呼ばれていましたが、リリアナは「完璧すぎて不気味な人」だと感じていました。
最もそれはフィーがヒロインを演じていた姿だったわけですが。
メルヴィン・クラビット
ゲームの攻略対象の一人で、リリアナの幼馴染。
セスに対するリリアナの気持ちを知っていますが、リリアナが「セス以外に親しい人は要らない」と言い張ったので、都合の良い時だけ協力する契約友人となります。
フィー視点では深く語られませんでしたが、めちゃくちゃ情の深い人でした。
ニコラス・キャボット
セスの腹違いの兄。
フェリシアを陥れたリリアナを嫌悪していますが、好きな相手を一度は諦めようとしたりと実はリリアナとは似た者同士。
ナンシー
リリアナが通っている協会のシスター。リリアナのことを「聖女様」と呼んで慕っています。
転生者であるが、自分は転生したわけではなく、死後の世界の「地獄」にいると認識している様子。
善行を積み、いつか「天国」に行きたいと考えているようです。
シャーリー
リリアナの幼いころからのメイド。クール系お姉さん。
純粋で努力家なリリアナを誇りに思うと同時に心配しています。
リリアナがフェリシアに嫌がらせをしていることに気付き諫めますが・・・
ティファ
シャーリーの後任となった侍女。シャーリーの妹。
元はレディローズに仕えており、レディローズを陥れたリリアナのことを嫌っていました。嫌悪感を隠そうともしませんが、仕事は仕事として割り切るタイプ。
リリアナの働きぶりを見ながら少しずつ考えを変えていきます。
「レディローズは平民になりたい3 悪役令嬢リリアナの場合」感想
本来勝てないはずのヒロインに「勝ってしまった」悪役令嬢の物語。
リリアナもフィーも下手に前世の記憶が有るせいで苦労しますが、この二人は対照的なキャラクターとして描かれているように感じました。
フィーは前世でも現世でも家族や人間関係に恵まれなかったために、自由を掴むためにそれまでの人間関係を捨てることに迷いはありませんでした。
対してリリアナは良い家族や友人に恵まれているにも関わらず、前世の家族や友人のことが好きだったゆえに引け目を感じてしまい、壁を作ってしまいます。セスにだけ執着したのも、一種の現実逃避だったのかもしれません。
そしてメルヴィンくんはめっちゃ良いやつでした。
フィー視点では単に好奇心で動いている奴みたいに描写されていますが、リリアナの友人という立場を踏まえてみると、ずっとリリアナの心配をしていたことがわかります。
「もうリリアナとメルヴィンがくっつけば良いのに」と、何度思った事か分かりません。
↓WEB版「聖女リリーは殺されたい」を読むなら↓
↓書籍版「レディローズは平民になりたい3 悪役令嬢リリアナの場合」を読むならこちら↓
↓次のおすすめ作品を見る
コメント