こんにちは!
ダイの大冒険大好きサラリーマンのヘーボンです。
ゴメちゃんは第一話から登場するキャラクターで、ダイにとってはポップ以上に付き合いの長い大親友です。
ゴールデンメタルスライムという世界で一匹しかいない種族らしく、当初から「なにか特別な能力があるに違いない」と読者の間で噂されていました。
当時の読者は「いつゴメちゃんの正体が明かされるのか」と毎週期待しながら読み進めていた事でしょう。
そしてその疑問はおおいに引っ張られることになり、正体が判明したのは最後も最後、大魔王バーンとの最終決戦の中でのことでした。
今回はゴメちゃんの正体と、それを示していた伏線について解説していきます。
ダイの大冒険のネタバレを含んでいますので、気にする方はここでページを閉じるか他の記事へどうぞ!
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最後に明かされたゴメちゃんの正体!神の涙の解説と伏線まとめ【ダイの大冒険】
ゴメちゃんの正体
ゴメちゃんの正体は神の涙
誰も知らなかったゴメちゃんの正体ですが、その正体は大魔王バーンの口から語られました。

ゴメちゃんは正確にはスライムではなく、”神の涙”と呼ばれる”生きた道具”だったのです。
神の涙とは、手にした者の願いを叶える奇跡の道具で、無力な生き物の苦しみを嘆いた神々が地上に落としたといわれています。
あまりに強力な道具のため神々から心を与えられており、邪悪な願い事を叶えないように神の涙自身が判断できるようにしてあるのです。
ゴメちゃんがスライムの姿になった理由
神の涙であるゴメちゃんが、なぜスライムの姿になっていたのか…
それは幼い日のダイの願いを聞いたからでした。
デルムリン島で魔物たちと共に生活していたダイは、茂みの中に神の涙が落ちているのを見つけます。
ダイはそれを魔物が隠れていると考え「ぼくのトモダチになってよ」と声を掛けました。

ゴメちゃんはその願いを叶えるために、ダイの友人として相応しい姿に変わったのです。
余談ですが、ダイは「ぼくの友達になってよ」というセリフを、バランによって記憶を奪われた際にもゴメちゃんに対して言っています。

最後まで読み進めて初めて言えることですが、このセリフは例え記憶を失ってもダイの根本の性格は変わっていない事を示していたのです。
ゴールデンメタルスライムの伝説
そもそもゴメちゃんは、ゴールデンメタルスライムという一匹で百万の富に匹敵する珍獣と言われていました。
第一話で戦うことになった偽勇者でろりんたちも、その噂を聞いてゴメちゃんを狙ってきたのです。
しかしゴメちゃんの正体は神の涙だったわけですから、ゴールデンメタルスライムの伝説はデマだったという事になります。
ゴメちゃん自身はそれを「神の涙の伝説が歪められて伝わったのでは」と分析していました。

デルムリン島にゴメちゃんが居る事をでろりんたちが知っていたという事は、以前にもデルムリン島を訪れた人間はいたのでしょう。
その人間がゴメちゃんの姿を見たとき、おぼろげに知っていた神の涙の伝説と結び付け、ゴールデンメタルスライムの伝説として世の中に広めたのかもしれません。
ゴメちゃんが叶えてきた願い
ゴメちゃんはダイの「ぼくとトモダチになってよ」という願い以外にも、作中でいくつかの願いを叶えています。

次はゴメちゃんが誰のどんな願いを叶えてきたのか、一つずつ見返していきたいと思います。
クロコダイン戦でダイの体力を回復
ゴメちゃんの能力を作中で初めて見られるのは、ロモス城におけるクロコダイン戦です。
ダイは祖父であるブラスを人質に取られたことで敗北。
ブラスは後から駆け付けたポップによって救出されますが、そのポップも倒れ、クロコダインにトドメを刺されそうになってしまいます。
そんな絶体絶命の状況でしたが、ゴメちゃんの涙がダイの身体に触れると、なんとダイが回復し再び立ち上がったのです。

ポップとマァムは後に、当時の事を思い出し「自分たちがダイの体力回復を願ったから」と分析しています。
そこで、実際にそんなシーンがあったのか探してみました。
マァムに関しては、直接ダイを回復させようとしたところを悪魔の目玉によって邪魔されています。
その後もずっとダイを回復させたいと考えていた事は間違いないでしょう。

ポップに関しても、ブラスを助けた理由を「ダイが思う存分戦えるようにするため」と語っています。
つまり、ダイが再び立ち上がる事を期待した上での行動だったのです。

ポップとマァム、二人の願いにゴメちゃんが共感したことで、神の涙の能力が発揮されたという事でしょう。
メガンテで死亡したポップに喝を入れる
バランとの戦いにおいて、ポップはダイを守るためにメガンテを唱え、死んでしまいます。
気が付くとポップは、雲の上の様な精神世界にいました。
ポップがそこを死後の世界に向かって歩いていると、そこにゴメちゃんが現れ「ダイを見捨てて逃げるのか」と喝を入れます。

再び生きる決意を燃やしたポップは、なんと死んだままの状態で魔法を唱え、バランに一撃を食らわせたのです。

ゴメちゃんが神の涙としての能力を使った事は明らかですが、一体誰の願いを叶えたのでしょうか。
それは直前のシーンを読み返せばすぐにわかりました。
ゴメちゃんが能力を使うよりも先に、レオナがポップを生き返らせようとザオラルを使っているのです。

その際の「生き返ってポップ君!!」というレオナの願いを、近くにいたゴメちゃんが聞き届けたのでしょう。
しかし結果として、ゴメちゃんの能力でもポップを生き返らせるには至らず、その効果は”死んだままの状態で魔法を使わせる”という中途半端なものでした。
おそらく、すでにダイの願いを叶えている最中だったため、死人を生き返らせるような大きな願いは叶えられなかったという事でしょう。
ただしこのポップの行動によって、バランが人間を見直し、ポップの生命を助けてくれることになるので、間接的に願いを叶えていると考える事もできます。
フェンブレンに一撃を喰らわせる
次にゴメちゃんがその能力を発揮するのは、死の大地におけるチウVSフェンブレン戦です。
獣王遊撃隊を結成し死の大地に偵察にやって来たチウですが、そこをフェンブレンに見つかってしまいました。
チウは遊撃隊員を守ろうとフェンブレンに立ち向かったものの、実力差はいかんともしがたく、一方的になぶられてしまいます。
そんな時、チウを救おうと飛びだしたゴメちゃんがフェンブレンに体当たりし、なんとオリハルコンの身体をひしゃげさせてしまったのです。

前述したとおり、それまでに判明していたゴメちゃんの能力は、誰かを回復させるようなものばかりでした。
しかしここでは終盤の強敵に通用するほどの攻撃力を発揮しており、当時ゴメちゃんの能力について予想していた読者を大きく戸惑わせました。
ここでゴメちゃんは誰のどんな願いを聞いたのでしょうか。
後にチウは「自分がフェンブレンの様に強い身体が欲しいと願ったから」と分析してしますが、その願いをそのまま聞いたのなら、ゴメちゃんではなくチウの身体が強くなるはずです。
しかし実際にはゴメちゃんの身体が瞬間的に強化され、それによってチウをフェンブレンから救っています。
したがって、チウの「強い身体が欲しい」という願いをそのまま叶えたわけではなさそうです。
では一体どんな願いを叶えたのかというと…チウがゴメちゃんを獣王遊撃隊に入隊させた時のセリフにヒントがありました。
チウはこの時「いかなる場合にもぼくを守るために戦うのだ!」とゴメちゃんに命じており、この願いを叶えたと考えれば、ゴメちゃんが直接フェンブレンを攻撃したことも違和感がありません。

実際ゴメちゃんは飛び出す前にチウのこの命令を思い出しており、これがゴメちゃんの叶えた願いというのは間違いないでしょう。
レオナを守るために魔法力を発揮する
大魔王バーンとの決戦の為に天馬の塔を登っていたダイ・レオナ・ゴメちゃんですが、その途中で突然現れた触手にレオナが捕まってしまいます。

大魔宮の心臓部が暴走し、動力である魔法力を求めてレオナを捕まえてしまったのです。
ダイはすぐにレオナを助け出そうとしますが、心臓部の管理人であるゴロアの妨害に遭い、救出までに思いがけず時間が掛かってしまいました。
本来であれば、その間にレオナは身体ごと心臓部に吸収されてしまっている筈です。
しかしダイがいざ助け出してみると、多少服が腐食している程度で、レオナは殆ど無傷の状態でした。
実はレオナの服の中にゴメちゃんが隠れており、自ら魔法力を放出し続ける事で、レオナが吸収されないようにしてくれたのです。

これもゴメちゃんの神の涙としての能力だと思われますが、ここでゴメちゃんは誰の願いを聞いたのでしょうか?
可能性があるのは、すぐ近くで助けを求めていたレオナ…もしくはそれを助けようとしていたダイでしょう。
正直いって、どちらの願いを叶えたと考えても辻褄は合います。
強いて言えば、ゴメちゃんがやったのは”レオナの救出”ではなく、あくまで”レオナが吸収されるのを防ぐ事”だったので、危機的状況のレオナが当然考えたであろう「自分の身を守りたい」という願いを叶えたと考えるのが自然かもしれません。
瞳を動かしバーンを翻弄する
大魔王バーンとの最終決戦において、ダイとポップ以外の仲間たちは”瞳”と呼ばれる宝玉の中に閉じ込められてしまいます。
”瞳”に閉じ込められた者たちは文字通り手も足も出せず、ただ戦いを見ている事しか出来ませんでした。
しかし、バーンがいよいよ地上を消し去ろうとすると、なんと”瞳”が動き出し、バーンに攻撃し始めたのです。

まさに奇跡としか思えない現象ですが、バーンはこれがレオナと一緒に瞳に閉じ込められてたゴメちゃんの能力であると見抜きました。
それによって、遂にゴメちゃんの正体が判明する事になるのです。
ここでゴメちゃんは誰の願いを叶えたのかですが…それは直前のシーンを見れば明らかです。

クロコダイン・ヒュンケル・アバン・マァム・レオナの五人が、戦いを見ている事しかできない事を嘆き「身体よ動け!!」と強く願っているのです。
ゴメちゃんの近くにいたレオナ1人の願いを叶えた…という解釈も出来ますが、わざわざ五人の心情を見せる演出的に、全員の願いを叶えたと考えるべきでしょう。
世界中の人々の心を一つにする
ダイたちは総力を挙げて大魔宮に攻め込みましたが、実はそれはバーンの計算の内でした。
バーンは人間の戦力が一箇所に集まっている隙に、世界中に仕掛けた”黒の核晶”を爆発させるつもりだったのです。
さらにはゴメちゃんの正体が神の涙であるとバーンに知られてしまい、その能力を恐れたバーンによって握りつぶされてしまいます。
粉々になってしまったゴメちゃんですが、せめて最後の力をダイの為に使おうと、ダイの心に直接話しかけ「最後に叶えたい願いはない?」と問いかけました。
そんなゴメちゃんに、ダイは「世界中の人々の心を一つにして欲しい」と願います。

自分たちだけでは世界中に仕掛けられた黒の核晶を止める事が出来ないので、この危機的状況を世界中の人々に伝えられれば、なんとかできるかもしれないと考えたのです。
果たしてこの願いは叶えられ、さらには心を一つにした人間たちによって、全ての黒の核晶を止めるという奇跡が起きました。

ゴメちゃんは人間の差別問題に関する答え?
記事内で記述したとおり、ゴメちゃんは最後に神の涙の能力で世界中の人々の心を一つにしてみせます。
このシーンは非常に熱い展開であると同時に、何かを象徴しているようにも感じられました。
というのも、ダイの大冒険ではたびたび人間たちが持つ”差別意識”について語られており、バーンもダイに対して「おまえはいずれ必ず迫害される」と予言めいた言葉をぶつけています。
「心を一つにする」という展開は、人間の抱える差別問題に対する一つの解決策を提示しているように見えるのです。
そもそも差別というものは多くの場合、お互いの無理解から生まれます。
かつてバランがアルキード王国で迫害を受けた原因も「恐ろしい魔物かもしれない」という思い込みが原因でした。
そんな差別を無くす為に必要なものは、やはりお互いを正しく理解する事でしょう。
今回はゴメちゃんの能力によって引き起こされた奇跡ですが、現実においても「理解できないと諦めず、お互いを理解しようと努力すること」が差別を無くすことに繋がる…ゴメちゃんという存在は、それを象徴している存在と言えるかもしれません。
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