大魔導士マトリフの鋭い名言ランキングベスト10【ダイの大冒険】

10位 ダイの力になってやれ…あいつは近いうちに必ず大きな壁にぶちあたる…

……ダイの力になってやれ
…あいつは近いうちに
必ず大きな壁にぶちあたる…
勇者としてではなく人間として…だ
そんな時が来たら…
おまえが支えてやるんだ…いいな…

出典：ダイの大冒険9巻

ポップからダイの額に輝く紋章のことを聞いたマトリフは、ポップに意味深な言葉をかけました。

実は仲間たちの中でダイが竜の騎士であることに最初に気が付いたのはマトリフです。

それと同時にマトリフは、ダイがいずれ「自分が人間ではない」という事実に傷付くことも、それを支えられるのはポップであることも察していたのでした。

9位 あいつにゃオレのキビシサが必要なんだよ

あのガキ とんでもねぇ甘ったれだぜ
追いつめられなきゃ
絶対に努力をしやがらねぇ
だからこの世の果てに放り出して
来てやったんだ
ま アバンっていうのも
優しすぎる男だったからなぁ…
ああいう甘えん坊は
上手く育てられんのさ
あいつにゃオレのキビシサが
必要なんだよ
ヒャヒャヒャヒャッ

出典：ダイの大冒険6巻

ポップの修行を買って出たマトリフですが、すぐに音を上げるポップを魔の森に置き去りにして帰って来てしまいました。

アバン先生はダイをたった3日で鍛えるほどの優れた指導者ですが、それもダイが自ら進んで修行に励んだからこそです。

反対にポップに対しては思うように修行が進まずに困っているというようなことを言っていました。

逃げ癖が付いていたポップには、マトリフのように甘えた態度を𠮟りつける厳しい師匠のほうが相性が良かったのでしょう。

8位 どうせ力を貸しても危機が去ったらまた平気で恩を忘れるにきまってるからな！

もうくだらん王家の連中の
手助けなんかごめんだね
王家だけじゃない人間はみんなそうさ
魔王軍に襲われているときには
一生懸命ごきげんとって
オレを戦わせたくせに
勝って平和になったとたん
コロッと掌をかえしやがった
オレなんか戦いが終わって
国王の相談役になったのはいいけど
さんざん側近の男どもに
イジメられちゃってさ
ま オレの才能が怖かったんだろうね
人間なんてそんなもんさ
自分の都合しか考えないんだ
だからオレは人間に嫌気がさして
この洞窟に移り住んだのさ
さっきは気まぐれで助けたがこれ以上はもうダメ！
どうせ力を貸しても危機が去ったら
また平気で恩を忘れるにきまってるからな！！

出典：ダイの大冒険6巻

フレイザードの結界呪法に敗れ撤退するダイたちの前に、かつてのアバンの仲間マトリフが現れて助けてくれますが、それ以上の協力を求められるとマトリフはバッサリと断ります。

有事の際の英雄が、平和な世の中では邪魔者扱いというのはよくある話です。

冥竜王ウェルザーを倒したバランも似たような目に合っており、人間の醜い面を現しているセリフと言えるでしょう。

余談ですが、かつてマトリフをイジメた側近というのは誰だったのでしょう？
現在のレオナ姫の側近たちとは思えないので、かつてデルムリン島に来たバロンやテムジンあたりでしょうか…？

7位 魔法使いの魔法ってのはな仲間を守るためのものなんだ

…生意気ぬかすなッ！！！
魔法使いの魔法ってのはな
仲間を守るためのものなんだ
無数の呪文と知識をかかえ
皆の危機をはらうのが魔法使いの役目だ
もしおまえがルーラを使えていたら
炎上する気球船からたやすく
仲間を救えたことがわからんのか！！？

出典：ダイの大冒険6巻

呪文の修行中に「ルーラなんて戦いの役には立たない」とぼやいたポップをマトリフが叱り飛ばしたセリフ。

魔法使いは強力な呪文を使えればそれでよいという訳ではありません。

ルーラのような移動呪文が必要になる時もあれば、無数の呪文を的確なタイミングで使用する判断力も必要となってきます。

戦いのことしか考えていなかったポップに、魔法使いの何たるかを説いた名言です。

6位 決まってんだろ勇者の武器は”勇気”だよ！

バ～カ
おめえがポップと同じ呪文ができる必要なんてねぇんだよ
勇者はなんでもできる
だが力だったら戦士のほうが上だ
魔法だって魔法使いにゃかなわねぇ
なんでもできる反面なんにもできないのが勇者って人種さ…
だが…
勇者にも一つだけ他のやつには真似できない最強の武器がある…
決まってんだろ勇者の武器は
”勇気”だよ！
おまえにはいかなる敵にも立ち向かっていける勇気さえあればそれでいい
今は基礎でもやってろ
魔法の力が欲しけりゃこいつが勝手に強くなってくれらあ
それが仲間パーティーってもんだぜ…！！

出典：ダイの大冒険8巻

ダイから「ポップはすごい呪文を教えられてるのにおれは基礎なんてズルい」と言われたときのマトリフの返し。

パーティーである以上、一人ですべてが出来るようになる必要などありません。

お互いに助け合い、長所を生かして短所を補うことができるのがパーティーを組む利点です。

ダイにパーティーの重要性と勇者の在り方を教えた名言です。

また魔弾銃を失ったマァムに、新しい”自分だけの武器”の必要性を自覚させた言葉でもあります。

5位 オレに”マトリフのしるし”とかいうのがあったらとっくにくれてやってるところだ…！

…ふっ…
ふははははっ…！
…ははは……すまねえ
だが妙にうれしくってなあ…
オレにはおめえの悩みが検討もつかねえ…
今までただの鼻タレだと思ってどやしまくっていたガキがとうとうそんな次元にまでたどりついたのかと思うと妙にうれしいやらさびしいやら…
なんだかむずがゆい
気持ちになっちまった
オレにゃあ 女房も子供もいなかったが
子を持つ親の気持ちってやつあ
こんなもんなのかもしれねえなあ……
極大消滅呪文メドローアをさずけた今
戦いに関しちゃあ
もうおまえはオレより上かもしれねェ
オレに”マトリフのしるし”とかいうのがあったらとっくにくれてやってるところだ…！！
ダハハハッ…！

出典：ダイの大冒険24巻

ミナカトールを使用するためにアバンの使徒全員がアバンのしるしを光らせなくてはいけないにも拘わらず、ポップだけが光らせる事ができない…そんな時にポップが相談相手に選んだのがマトリフでした。

「越えられない一線が来てしまった」と苦悩するポップを見て、マトリフはなんと嬉しそうに笑いだします。

それもそのはず、自分の限界にぶつかるのは限界まで努力した人だけです。
ポップが努力や苦労からすぐに逃げようとしていた頃から知っているマトリフからすれば、自分が知らない間にそこまで努力していた事を知って嬉しくてたまらなかったことでしょう。

マトリフがポップに対して、師匠としてだけでなく親心のような愛情を抱いている事を伺わせる名言です。

4位 おまえがすべてにめぐまれたヤツならここまでにゃあなれなかった…！

これが…
オレからの最後のアドバイスだ
…自分を信じろ！！！
おまえがすべてにめぐまれたヤツならここまでにゃあなれなかった…！
弱っちい武器屋の息子だからこそ
だれよりも強くアバンにあこがれ苦闘の道も歯をくいしばってこれたんだ！！
…自信を持て！！おまえは強い！！
オレの…自慢の弟子だっ！！

出典：ダイの大冒険24巻

アバンのしるしを光らせられないポップは、自分だけが平凡な身の上であることを理由に仲間たちとの差を痛感していました。

そんなポップの悩みをマトリフが察して、言い聞かせるように言ったのがこのセリフです。

確かにポップの出自はただの武器屋の息子であり、父親が元々腕の良い鍛冶職人だったという程度の、他の仲間に比べれば平凡な出自であると言わざるを得ないでしょう。

しかしポップがここまで成長できたのは、自分の弱さや臆病さを自覚した上で、アバンのように強くありたいと強く願ったからでした。

例えばポップが同じ性格のまま王族として生まれ、チヤホヤされて生きてきたとしたら、同じように強くなろうとしたかは疑問です。

マトリフはポップに「出自を引け目に思う必要はない、自分の積み上げてきた努力を信じろ」と言って激励するのでした。

3位 もうおまえはオレの手の届かない所へ行っちまうんだろうなあ…

ポップよ…おおよそ読めたぜ
おまえの悩みが…
おそらくそいつはおまえの人生で一番のカベだろう
それを乗り越えちまったら…
もうおまえはオレの手の届かない所へ行っちまうんだろうなあ……

出典：ダイの大冒険24巻

ポップを激励した後、帰っていくポップの背中を見守るマトリフの心中のセリフ。

ポップの態度から壁にぶつかっていることを悟ったマトリフですが、その苦しみを理解しながらもポップが壁を乗り越える事自体は疑っていませんでした。

そしてそうなったらもはや自分に教えられることは無くなってしまう…そんな喜びと寂しさを感じさせる名言です。

2位 魔法使いってのはつねにパーティーで一番クールでなけりゃならねえんだ

よく覚えとけ
魔法使いってのはつねにパーティーで一番クールでなけりゃならねえんだ
全員がカッカしてる時でも
ただ一人 氷のように冷静に戦況を見てなきゃいけねえ…
少なくともオレはアバンと組んでた時にゃそうしてたぜ

出典：ダイの大冒険13巻

マトリフがザボエラの奇策にハマったポップを助けた際に、ポップに対して掛けた言葉。

前述の名言でも紹介しましたが、魔法使いの役目は呪文と知識により仲間を危険から守ることです。

その魔法使いが敵の罠に嵌るということは、そのままパーティーの全滅を意味すると言って良いでしょう。

感情的になりやすかったポップに対して、マトリフは冷静さを保つ重要性を教えました。

その後のポップの成長に大きな影響を与えたセリフです。

1位 いいやつはみんな死んでオレやおめえみてえな悪党だけが生き残っちまった

…てめえが成仏しやがらねえおかげでいらぬ手間がふえたぜ
おまけにオレの数少ねえ友達ダチを
殺しやがって…
あいつは…いいヤツだったんだ
…本当にな…それが…
オレの三分の一も生きられなかった…
ロカ…アバン…
いいやつはみんな死んで
オレやおめえみてえな悪党だけが生き残っちまった
…いやな世の中だよなぁ…

出典：ダイの大冒険13巻

ダイたちに奇襲を仕掛けてきたハドラーに対して、その前にマトリフが立ちはだかり言ったセリフ。

「憎まれっ子世に憚る」という意味とも取れますが、僕には「若者に先立たれた老人の無念」を語っているように聞こえました。

元々人間に嫌気がさして隠居していたマトリフですが「世界にはアバンのような有望な若者がいるから、無理して自分が働き続ける必要はない」と安心して隠居していた部分もあるのではないのでしょうか。

そう考えると初登場時にダイたちへの協力を渋ったのに、アバンが死んだと聞いた途端に話を聞いてくれたことも納得がいきます。

若者が早死にして年寄りが働き続ける世界…確かに「いやな世の中」ですね…