こんにちは!
マンガ大好きサラリーマンのヘーボンです!
みなさん、政治についてどれくらい理解していますか?
昔からセンシティブな話題として扱われており、「人前で政治と宗教と野球の話はするな」なんて言葉すらあるほどです。
とはいえ生活に直結する重大な話題である事も事実で、これを理解しているかどうかで生き方が変わる…と言っても過言ではありません。
誰も教えてくれないのに、知っておかなくてはいけない話題なのです。
「そうは言っても、何から勉強していいのかわからない」
「そもそも政治を勉強する必要性がわからない」
今回はそんな人にお勧めしたい漫画を紹介します!
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「クニミツの政」(安童夕馬・朝基まさし)
学の無い不良少年が総理大臣を目指し一念発起。
尊敬する政治家の元で政治を学びながら、不正が蔓延る町を変えていく…という物語です。
元々は「サイコメトラーEIJI」という作品のスピンオフですが、そちらとは内容がかなり違うので、知らなくても問題ありません。
主人公が政治の知識0からスタートするため、同じく政治の知識が無い人でも主人公と共に学んで行けますし、「なぜ選挙に行くべきなのか」「政治とどう関わればいいのか」という疑問を分かりやすく理解する事が出来ます。
序盤のネタバレありであらすじと感想を解説していきますので、全くネタバレしたくないという方は、下のリンクから飛んでください。
「クニミツの政」あらすじ(序盤ネタバレ)
武藤国光は中学中退の不良少年。
ある事件が切っ掛けで政治の道を志すようになった国光は、元国会議員である坂上竜馬氏に弟子入りするため、新千葉ヶ崎という町にやってきました。
国光が坂上先生の家を探して彷徨っていると、なにやら女子高生たちの話し声が聞こえてきます。
なんでも新しくできる道路の為に、自分達が使っていたテニスコートが潰されると嘆いているようでした。
しかもその道路は、本来は必要の無いものだというのです。
興味を引かれた国光は、その女子高生に声を掛けてみる事にしました。
その話によると、新しく出来る道路というのは建設業者が政治家に賄賂を贈って請け負ったもので、それを市民に必要とされている施設を潰してまで作ろうとしているというのです。
さらに詳しく話を聞いてみると、その妙に裏事情に詳しい女子高生は坂上明日香という名前で、今から訪ねようとしている坂上先生の娘さんだという事が判明します。
国光はこれ幸いと明日香に道案内を頼みますが、その道中でおかしな場面に出くわします。
誰も来ないような辺鄙な場所に妙に立派な建物が建っており、なにやらそこでパーティーをやっているようなのです。
明日香いわく、その建物は国が作った保養施設で、役人たちの天下り先にするためにわざわざ客の来ない場所に建てられたとのこと。
しかもその施設の維持費は全て税金で賄われていて、現在の市長になってからこの街ではこんな事ばかり繰り返しているというのです。
その話を聞いていた国光は納得いかない気分になり、なんとそのパーティー会場に足を踏み入れていきます。
そして何を思ったのか、その場に会った料理を片っ端から平らげ始めました。
当然ながら会場は大騒ぎ。
パーティーの出席者である役人たちが「誰に断って食ってるんだ!」「関係ないヤツは出ていけ」と国光に罵声を浴びせ掛けます。
すると国光は振り返り、こう言い返しました。
「この料理は国民の金で作ったんだろ?だったらオレにも食う権利があんだろうが!」
戸惑う役人たちに対し、国光はさらに啖呵を切ります。
「おめーらみてえな害虫がこの町仕切ってるなんて、この武藤国光はぜってー納得いかねえ!」
この町を仕切る悪徳政治家たちに堂々と宣戦布告を決めた国光。
取り押さえようと迫り来る警備員や役人たちを躱し、さっそうと立ち去りました。
元々彼らに不満を持っていた明日香も、まさかの痛快劇にご満悦。二人で笑いながら坂上家を目指すのでした。
さて、改めて坂上家を訪ねた国光は、そこで人の好さそうな坂上先生に出会います。
なんでも坂上先生は近々市長選挙に出馬する予定で、国光も秘書として選挙の為に動いてほしいというのです。
学は無いがやる気だけは充分な国光。
「任せてください!」と即答し、さっそく選挙事務所に案内してもらうのですが…
その事務所は、物置かと思うようなボロ部屋でした…。
なんと坂上先生は、元国会議員ではあるものの現在は借金まみれの浪人生活。
選挙資金どころか、明日の食べるものすらままならない極貧状態だというのです。
「優秀な政治家の元でバリバリ修業が出来る」と思っていた国光は、まさかの現実に戸惑いを隠せません。
しかし根は単純な国光です。
坂上先生から「政治家の会合に連れていく」と言われてすぐに立ち直りました。
そして早くも会合の当日。
中学もろくに出ていない国光が、ついに政治の世界に足を踏み入れる日がやってきました。
国光は期待に胸を高鳴らせ、会場の扉を開きます。
すると…
そこに有った光景は、どういう訳か酔っ払いおやじ達のバカ騒ぎでした。
裸踊りをしている者。
コンパニオンにセクハラする者。
果ては堂々と裏金の受け渡しをする者まで。
その中には、先日の保養施設のパーティーにも居た市長や国会議員の姿もあります。
政治の「せ」の字も無い光景に、国光は失望を通り越して怒りが湧いてきました。
そして国光は怒りのままに叫びます。
「これが政治かよ!おめぇらみてぇのが政治家かよ…!」
突然騒ぎ出した国光はまたしても追い出されそうになりますが、しかし今度は国光も止まりません。
そのまま怒りに任せ、一番偉そうにしていた国会議員に殴り掛かったのです。
しかしその拳が国会議員に届くことはありませんでした。
坂上先生が間に割って入り、代わりに国光の拳を受けたからです。
坂上先生は血を流しながら、笑顔で国光に諭します。
「国光くん。殴ったら政治じゃないよ」
坂上先生が身体を張って止めたことで、国光はなんとか不問となり、会合はそのままお開きになりました。
その帰り道。
てっきり叱られると思っていた国光に、坂上先生はなんと頭を下げました。
「この国の政治はおかしくなってしまっている」
「自分を含め、今の政治家にはそれを変えられるだけの力は無い」
ならばせめて…この国を変えてくれるであろう若者たちの踏み台になりたい。その為に市長選に立候補するのだと坂上先生は語ります。
「政治を見捨てないでください。君ら若い世代に見捨てられたら、政治はもはや立ち直ることができなくなるでしょう」
そう懇願する坂上先生に対し、国光はそれよりも深く頭を下げます。
「謝んなきゃいけないのはオレの方です!バカでした俺…」
「もうムカついたから殴るなんてマネは金輪際やらねえ!!だから…だから…おれを弟子にしてやってください!坂上先生!」
こうして国光は、この町を…そしてこの国を変えるため、坂上竜馬を神輿として市長選に臨む決意をするのでした。
「クニミツの政」主な登場人物
武藤 国光(むとう くにみつ)
中学中退の蕎麦屋の息子。
かつて親友が政治家を恨んで起こした事件を切っ掛けに、自らが政治家になり国を変えると決意しました。
型にはまらない発想力と驚異的な行動力を持ち、政治に不満を持ちながらも諦めていた市民たちに、その行動でもって希望を思い出させていきます。
坂上先生に惚れ込み、彼を”神輿”として市長選に挑むことを決意しました。
坂上 竜馬(さかがみ りょうま)
貧乏な政治家浪人。
高い志を持つ清廉潔白な人物ですが、要領が悪く前回の市長選では票を集められずに落選しました。
現在の政治に強い危機感を抱いており、その政治を変えてくれる若者を育てたいという想いから、再び市長選に挑みます。
宇治村 修造(うじむら しゅうぞう)
新千葉ヶ崎市の市長経験もある悪徳政治家。
いまだに新千葉ヶ崎市に強い影響力を持っており、町に蔓延る不正の元締めと言える存在。
賄賂と女を好む俗物といった感じですが、悪党としては大物で、多くの不正に手を染めながら決して証拠を掴ませません。
現在の市長は宇治村の傀儡で、次の市長も自らの息のかかった不破にすることで、自らの影響力を盤石にしようと考えています。
不破 俊一(ふわ しゅんいち)
宇治村の元秘書で、次期市長選の候補者。
国光や坂上先生にとって最大のライバルと言える存在です。
清濁併せ呑む優秀な政治家で、表面上は宇治村の言いなりになっていますが、それはあくまで彼の立場を利用するため…内心では不正まみれの宇治村とは長く付き合うべきではないと考えています。
「クニミツの政」感想
「なぜ選挙にいかないといけないのか」「政治とどう向き合っていけば良いのか」という疑問に分かりやすく答えてくれる漫画です。
かと言って、決して堅苦しいお勉強本という訳ではありません。
悪徳政治家を懲らしめ不正を明るみにしていく話なので、ストーリーはむしろ王道な少年漫画と言えるでしょう。
「政治や選挙の話なんて面白いのか?」と思うかもしれませんが、敵も味方もまさかの方法で票を集めようとするので、斬新な頭脳戦に何度も驚かされることになります。
面白い頭脳戦を楽しみながら、気が付けば政治に興味が持てるようになる…まさに一粒で2度おいしい作品です。
ただ一つだけ、この作品を読む上で注意してほしいことがあります。
この漫画では「学校教育」や「農薬による健康被害」など、明確な答えが出ていない問題を政治的観点から紹介し、それに対して国光も彼なりの見解を示します。
そこで「主人公が言っているから、それが正しい」とは考えないで欲しいのです。
そもそも政治とは、答えの無い問題を考えていくもの…国光の言葉もまた一個人のものに過ぎず、私も読んでいて自分の意見と違うと感じたシーンもあります。
かと言って、国光が間違っていると言いたいわけではありません。
「主人公が正しい」ではなく「自分なりの見解を持つ」
そうすることで政治について考える事になるのです。
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