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ダイの大冒険大好きサラリーマンのヘーボンです!
ハドラー親衛騎団は、ハドラーがオリハルコンの駒から禁呪法で生み出した戦士たちで、その精神や能力はハドラーの影響を強く受けているそうです。
事実ヒム・アルビナス・シグマ・フェンブレン・ブロックの言動を一つ一つ見ていくと、ハドラーとの共通点が度々見えてきます。
今回はハドラー親衛騎団の戦士たちが、ハドラーから受け継いだと思われる能力や精神について解説していきます。
ダイの大冒険のネタバレを含みますので、気にする方はここでページを閉じるか他の記事へどうぞ!
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ハドラー親衛騎団がハドラーから受け継いだもの【ダイの大冒険】
アルビナス
合理的な判断を好む
正々堂々の騎士道精神あふれた敵…という印象があるハドラー親衛騎団ですが、その中でアルビナスは必要とあれば手段を選ばない合理的判断を好む傾向があります。
その傾向が最も顕著に表れたのは、ヒュンケルとバランの戦いにアルビナスが横槍を入れた時でしょう。
ヒムの「一対一の決闘に横槍を入れるべきじゃない」という言葉を押し切り、アルビナスは二人を始末するために襲い掛かりました。
ヒムもアルビナスもハドラーに対する忠誠心は本物です。
しかしハドラーの精神に倣おうとしたヒムに対し、アルビナスは現実的な手段で貢献しようと考えました。
この「不安要素は早めに摘んでおく」という合理的な考え方は、魔軍司令時代のハドラーに良く見られたものです。
ハドラーは当時最大の障害であったアバンを復活してすぐに自ら倒しに行き、そこで出会ったダイが新たな脅威になると悟ると「ヒヨコの内にたたく」と言って、過剰なほどの戦力を送り込みました。
まだ敵対行動を取る前だったバランを警戒し排除しようとしたアルビナスは、誰よりも早くダイの危険性に気付いたハドラーと同じ思考をしていると言えます。
敗因になったのは”驕り”
魔軍司令時代のハドラーは合理的思考の持ち主だったと述べましたが、やや最後の詰めが甘い部分があり、そのせいでダイたちに反撃され何度も敗れる事になります。
そのハドラーの敗因をミストバーンは「精神的な驕り」があったせいだと語りました。
そしてアルビナスがマァムに敗れた理由も、その「精神的な驕り」によるものです。
アルビナスは早すぎるスピードが逆に弱点になるという”女王の駒の弱点”を理解していたにも拘わらず、そのスピードに頼る戦法でマァムと戦いました。
それはマァムをザコと侮り、勝負を急いだからです。
アルビナスが勝負を焦った理由を思えば責める気にはなれませんが、アルビナスがかつてのハドラーと同じ過ちを犯したと思うと、なんとも皮肉な話です。
得意呪文はベギラゴン
アルビナスの得意技はベギラゴンを応用したニードルサウザンドやサウザンドボール。
そしてベギラゴンと言えばハドラーの最強呪文でもあります。
(ドラクエファンの感覚ではイオナズンの方が強い気がしますが、ハドラーはベギラゴンの方が得意な模様)
ハドラーから最強呪文を受け継いでいるあたりは、さすがは親衛騎団最強の駒と言ったところでしょうか。
”愛”はアルビナス固有の感情?
マァムはアルビナスがハドラーに向けていた感情を”愛”であると述べました。
アルビナス自身は最後まで否定していましたが、結果としてハドラーの意志に反する行動を取った以上、ハドラーに対して忠誠心以外の特別な感情を持っていた事は間違いないでしょう。
ではその”愛”もハドラーから受け継いだ感情だったのかというと…そこは意見が分かれるところかなと考えています。
アルビナスはオフィシャルファンブックにおいて「”愛”を継いだ親衛騎団の統率者」と紹介されているので、少なくともベースとなる感情はハドラー譲りのものだったのでしょう。
しかし一口に”愛”と言っても様々な形があり、アルビナスの”愛”とハドラーの”愛”が同じものだと断じる事が難しいように思います。
広い意味での”愛”ならば、他の親衛騎団のメンバーもお互いを思いやる”友愛”を持っていたように見えますし、かつて同じように禁呪法で作られたバルトスも、我が子(ヒュンケル)に対する”親子愛”を持っていました。
かと言ってハドラーが特定の個人に対して深い愛情を抱いたような描写はありませんし、アルビナスのハドラーへの想いが全てハドラーからの影響と考えるのは、やや無粋な気がしてしまいます。
おそらくですが、他人を思いやる広い意味での”愛”はハドラーも持ち合わせていたのでしょう。
しかしそれをハドラーから受け継ぎ、”特定の個人への愛情”に育てたのはアルビナスであり、それはもはやアルビナス固有の感情なのだと思います。
シグマ
正々堂々を好む騎士道精神
シグマは親衛騎団の中でも特に騎士道精神の強いキャラクターとして描かれています。
(オフィシャルファンブックによれば、「”誇り”を継いだ疾風の鉄騎」)
例えばポップからメドローアによる一発勝負を挑まれた際、時間を稼ぐことが目的のシグマはその勝負を断ることも出来ました。
しかしポップの精神に感心したシグマは、敢えてその一発勝負を受ける決断をします。
正々堂々の決着を望むシグマらしい決断ですが、実はハドラーもダイとの戦いで全く同じ事をしているのです。
ダイがロン・ベルク製の”魔法剣を強化できる鞘”でライデインをギガデインに強化している間、ハドラーは妨害できたにも拘わらず、その妨害を「無粋」と笑い飛ばし、お互いフルパワーでの決着を望みました。
ここまで似通った行動を取っている以上、シグマの騎士道精神がハドラー譲りのものである事は間違いないでしょう。
高い分析力と警戒心
シグマは敵の実力を正確に見抜く分析力と、決して相手を侮らない警戒心を持ち合わせた戦士です。
サババでマァムと戦った時は有利に戦いを進めていたにも拘わらず、ダイたちを「油断できない相手」と称していましたし、ポップとの戦いではポップが油断を誘う発言をしても警戒心を緩める事がありませんでした。
その姿勢は、武人として一皮むけた後のハドラーそのものです。
魔軍司令時代こそ詰めの甘さが見られたハドラーですが、超魔生物となってからは例え有利な状況であっても気を緩めようとしませんでした。
そして「そうする事が相手への礼儀でもある」という旨の発言をしています。
ハドラーはヒムに対して「今の自分に一番似ている」と言いましたが、シグマもまた超魔生物時代のハドラーの影響が強く表れている事が伺えます。
イオ系呪文
シグマはハドラーからイオ系の呪文を受け継いでいます。
イオの呪文そのものを使った事もありますし、必殺技のライトニングバスターは「イオナズンと同等の威力」と説明されており、イオ系のエネルギーを利用した技であることが伺えます。
そしてハドラーはアバンと戦った時に「ギラと並んでイオが得意」だと語っていました。
ハドラーの得意呪文を受け継いでいるあたり、シグマは親衛騎団の中ではアルビナスに次いだNo.2の実力者だったのかもしれません。
フェンブレン
残酷なサディスト
オフィシャルファンブックによると、フェンブレンは「”負”を継いだ真空の狩人」と言われており、フェンブレン自身も自分の残虐性を自覚しています。
相手を痛めつけて喜ぶ姿は、まさに魔軍司令時代のハドラーによく見られた特徴です。
とはいえ、悪いところばかり受け継いだかというと、そうは言えません。
意外な根性を見せたチウを「立派だ」と認めるなど、戦士としての誇りは持ち合わせているようで、その誇りもまたハドラー由来のものでしょう。(ハドラーもヒュンケルとの戦いの後、「おまえこそ真の戦士」と、認める発言をしています)
宿敵を追い求める執着心
フェンブレンはバランを自分の獲物と定め、ハドラーの命令を無視する形で勝負に向かいました。
それを聞いたハドラーは「捨てた筈の功名心や虚栄心がフェンブレンの性格に現れた」と語りましたが、特定の相手を宿敵と定め執着する姿は、どちらかというと現在のハドラーに似通っているようにも見えます。
バランを仕留めるつもりだったフェンブレンは、結果としてダイに敗れてしまい、「自分より強いヤツが大勢いる事」を嘆きながら死んでいきますが、実はハドラーも「いくら強くなっても上には上がいる…」と、似たような主旨の発言をしています。
武人ハドラーの強さを求める心を、一番強く受け継いでいたのはフェンブレンだったのかもしれません。
バギクロスはハドラーから受け継いだ呪文ではない?
フェンブレンの得意呪文はバギクロスで、「バギ系呪文を極めている」と自称するほど自信があったようですが、作中でハドラーがバギ系呪文を使った事はありません。
フェンブレンのバギクロスはハドラーから受け継いだものではないのでしょうか?
もちろん作中で使わなかっただけで、実はハドラーもバギ系呪文が使える可能性はありますが、そうではないのならフェンブレンはハドラーが覚えていない呪文を持って生まれたことになります。
前述した通り、フェンブレンはハドラーから”強さを求める心”を強く受け継いでいます。
ハドラーの「もっと強くなりたい」という感情から生まれたからこそ、ハドラーが習得していない呪文を身に付ける事が出来た…と、考えると面白いかもしれません。
ブロック
わが身を顧みず仲間を救う献身の精神
ブロックはオフィシャルファンブックでは「”献身”を継いだ寡黙なる巨兵」と紹介されており、作中においても親衛騎団の仲間やハドラーを身を挺して救いました。
そしてハドラーから献身の精神を感じ取る事が出来るのは、ダイとの決戦が終わった後、キルバーンのキルトラップ”ダイヤの9”からダイやポップを救い出そうとしたシーンです。
ダイもポップも諦めかけた状況で、ハドラーは二人を激励し、身を挺して守ろうと動きました。
その自己犠牲の精神はブロックは勿論、かつてダイとポップを救う為にメガンテを唱えたアバンとも通じるものがあります。
ブロックはヒャド系呪文が使える?
作中においてブロックが攻撃呪文を使う描写はありません。
しかし他のメンバーがギラ・イオ・バギ・メラ系呪文を習得していることから、ファンの間では消去法で「ブロックはヒャド系呪文を習得しているのでは?」と言われています。
もしそうだとしたら、そのヒャド系呪文はハドラーから受け継いだものと言えるでしょう。
「ハドラーがヒャド系呪文を使うシーンなんてあったっけ?」と思うかもしれませんが、実は存在します。
前の項目でも紹介したダイやポップを”ダイヤの9”から救うシーンで、ハドラーはポップがメドローアを討つ時間を稼ぐために、ヒャド系呪文で”ダイヤの9”の炎を防いだのです。
厳密にはヒャド系呪文とは明言していませんが、他の呪文で”ダイヤの9”の炎を押さえられるとは考えにくいので、そう判断してしまって良いでしょう。(アニメでは演出からヒャド系呪文であると分かります)
まさにハドラーが”献身”の精神を発揮しているシーンで、ブロックを象徴するヒャド系呪文を使っていた…と考えると、かなり上手い演出だと思えます。
ヒム
不屈の闘志
オフィシャルファンブックによると、ヒムは「”闘志”を受け継いだ獄炎の格闘士」と言われています。
”闘志”と言えばヒュンケルの魂の力でもあり、ヒムがヒュンケルを執拗にライバル視していたのも、そこに理由があるのでしょう。
そしてハドラーも、宿敵であるアバンの使徒の最大の武器を「最後の最後まで絶望しない強い心」と述べています。
”闘志”と「最後の最後まで絶望しない強い心」…言い方は違いますが、この場合は同じ意味と解釈してしまって良いでしょう。
そう…ヒムもハドラーも、同じものを目指して戦い続けていたのです。
ハドラーがヒムに対して「今の自分に一番似ている」と言った事がありますが、ヒムがハドラーと同じものを見ていたからこそだったのでしょう。
超熱拳(メラ系呪文)
ヒムの必殺技はメラ系呪文の威力を込めた拳 超熱拳です。
メラ系呪文はハドラーも作中で何度か使用し、「俺のメラは地獄の炎」と、特別性である事を伺わせる発言をしています。
しかしヒムの場合、単に呪文を受け継いだだけでなく、実は超熱拳という技自体がハドラーの技だった可能性が高いのです。
というのもハドラーは魔王時代に、アバンとの戦いで超熱拳らしき技を使用しているからです。
上記の画像はアバンが無刀陣を繰り出す直前のシーンですが、ハドラーが拳に何らかの魔法力を込めているのが分かります。
画像からは断言できませんが、これがメラ系呪文であれば完全に超熱拳です。
少なくとも、超熱拳と同じ発想の技であることは間違いないでしょう。
ヒムはハドラーから呪文だけでなく、技ごと受け継いでいたのですね。
ハドラーの魂
一度はヒュンケルに敗れたものの死の淵から蘇ったヒムは、兵士の昇格の能力でハドラーそっくりに姿を変えました。
その姿を見たヒュンケルは「ハドラーの生命が宿ったとしか思えない」と戦慄し、戦いの後には他の親衛騎団の生命も宿っていると語ります。
そしてヒムはヒュンケルの説得に応じ仲間入りする事になりますが、これはダイの大冒険のファンが一度は考えたであろう「ハドラーに仲間入りしてほしい」という期待を、ヒムが受け継いで叶えたと解釈する事ができます。
禁呪法で生まれたハドラー親衛騎団以外のキャラ
バルトス
ヒュンケルの父親であるバルトスは、魔王時代のハドラーが生み出した魔物です。
ハドラーはバルトスを失敗作として処分しますが、その際にバストスが”正義感”や”騎士道精神”、”人間の様な情愛”の持ち主だと語っています。
どこか親衛騎団のメンバーを髣髴とさせるワードですが、バルトスがこれらの感情の持ち主だったという事は、逆説的に魔王時代のハドラーにもそういった感情があったという事になります。
そしてそういった感情を否定してしまったがために、魔軍司令時代のハドラーは虚栄心や功名心の塊になってしまったのでしょう。
フレイザード
ハドラーが魔軍司令時代に生み出したのがフレイザードです。
”正義感”、”騎士道精神”、”情愛”といった感情を否定した後に生み出したせいか、自身の栄光だけに執着する卑劣感となりました。
功名心が強いという点ではフェンブレンと共通していますが、フレイザードはハドラーをバカにする発言もみられるため、あくまでハドラーの為に動いていたフェンブレンとは一線を画す存在と言えるでしょう。
では、ハドラーの悪い面しか受け継がなかったのか…というと、そうでもありません。
アバンがハドラーを評価して言った「常に自らが前線に赴いていた」という性質はフレイザードにも強く見られ、常に最前線に出ようとすることから「魔王軍の切り込み隊長」と呼ばれていました。
モルグ
モルグはヒュンケルが不死騎団長だったころに執事のような事をしていた魔物です。
「アンデッドはハドラーが禁呪法で作った魔物」という設定があるので、おそらくモルグもハドラーが作ったのでしょう。(他にもアンデット系モンスターは登場しますが、はっきりと人格が見て取れるのはバルトスとモルグだけです)
モルグの描写は少ないですが、マァムに対する紳士的な態度や、ヒュンケルに殉じようとして死んだことから、優しい心と強い忠誠心の持ち主だったことが伺えます。
禁呪法で生まれたキャラからハドラーの心が分かる
ハドラー親衛騎団を始め、ハドラーが禁呪法で生み出した魔物たちを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
全員が間違いなくハドラーの影響を受けているのに、それぞれ個性的な性格をしているのが面白いと思いませんか?
精神というものは複雑で、その一部を切り取っただけで、元とは全く違う人格になってしまうという事なのでしょう。
逆に言えば、禁呪法で生まれたキャラたちの性格を見ていくことで、作中では描き切れなかったハドラーの精神状態を知ることが出来ます。
バルトスを見れば昔のハドラーが誇り高い魔王だった事が分かりますし、その後生まれたフレイザードを見れば、アバンが復活したハドラーを見たときに言った「以前にもまして愚劣きわまりない性格になった」というセリフの意味が推し量れるでしょう。
さらにその後、親衛騎団の正々堂々とした姿を見る事で、ハドラーが武人としてどれほど成長したかがハッキリと分かるのです。
読者の中で親衛騎団の株が上がればハドラーの株も上がり、ハドラーの株が上がれば親衛騎団の株も上がる…ハドラーと親衛騎団は良い意味で相互作用のあるキャラクターたちと言えますね。
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